その髪は違和感だらけだった。
でも凝視してはいけない。総務部長の自尊心を傷つけることになるから。
だから私たちは部長と話すとき、目以外に視線をやらない。しかし今日は、
「君、見たまえ」と彼は自分の頭を指した。
「は、はい」
「新調してね。生え際に、とれんどカラーを入れてみたんだ」

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