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効果的な生徒指導の方法(日常編)若手の先生,保護者の方向け

こんにちは,HARuです。今回は日常における生徒指導でこうしたらいいよというお話です。

生徒指導とは

以前の記事にも引用したことがありますが,生徒指導とは下記の通り。

社会の中で自分らしく生きることができる大人へと児童 生徒が育つように、その成長・発達を促したり支えたりする意図でなされる働きかけの総称のことです。
すなわち、 学校生活の中で児童生徒自らが、その社会的資質を伸ばすとともに、さらなる社会 的能力を獲得していくこと(社会性の育成)
そして、 それらの資質・能力を適切に行使して自己実現を図りながら自己の幸福と社会の発 展を追求していく大人になること(社会に受け入れられる自己実現)
そうしたことを願って児童生徒の自発的かつ主体的な成長・発達の過程を支援してい く働きかけのことを、生徒指導と呼んでいます。参照:国立教育政策研究所「生徒指導リーフ」

簡単にいえば,子どもたちの成長や発達を促し,サポートするための活動です。子どもたちはまだ経験が少ないがゆえに失敗や間違いを起こします。そのことに気づかせ,自ら考えて適切な(場や状況に応じた)行動を取れるように支援することを生徒指導というのです。

誤った生徒指導

読者の方の中には,生徒指導と聞くと,こわーい先生が竹刀を持ってビシバシしごくというイメージの方や先生から怒鳴り散らされることをイメージされる方がいるでしょうか。以前はそのような先生がいらっしゃったことも事実のようですが,現在は全く見かけません。なぜなら,それは生徒指導ではなく体罰にあたるからです。※体罰とは簡単に言うと「肉体的な苦痛を与えるような懲戒(罰)」のことを言います。

日常的に起こる生徒指導事案

学校に勤務していれば,日常的に生徒指導事案が起こります。例えば,廊下を走ったり,大声で騒いでいたり,何か物を壊してしまったりといったことです。


効果的な生徒指導法

その際,どのように指導するのが効果的かご存知ですか?これは教育にも言えることですが,子育てにも言えることです。結論を言えば,「叱るより諭す」というイメージです。

例えば,私は指導の最後に必ず「あなたを信じている」というメッセージを伝えます。ただし,これは本心から思っていなければいけません。

生徒指導の具体例

では,実際の場面でどのようにすれば良いかを考えみましょう。

例えば,昼休み,室内で大きな声で騒いでいる子がいた場合。仮に仮太郎くんとします。まずは,大声で騒いでいるのを見つけた場合,

「仮太郎くん!休み時間に室内で大声で叫んではいけません!!」と言うことが多いのではないでしょうか。

実はこれだけでは改善の効果は全く期待できません。おそらく,先生がその場がら離れれば,仮太郎くんは,また友達と大声でふざけ合って楽しむでしょう。では,どうすればいいのか。私なら以下のように指導します。

HARu 「仮太郎くん,ちょっとこっちに来てくれるかな?」
 (こどもはすでに悪いことをしている自覚があるのでドキドキしながらこちらに来ます)
HARu 「今,大きな声が聞こえたけど,どうしたの?」


仮太郎 「いや,なんでも無いです。」

HARu「あれ?大きな声出さなかった?

仮太郎「いや,出しました。」

HARu「何かあったの?」

仮太郎「・・・」

HARu「ふざけて遊んでたのかな?」

仮太郎「はい・・・」

HARu「そうか,楽しむことはいいと思うけど,室内では大きな声を出さないでね。びっくりしちゃう人も多いから」


仮太郎「はい」


HARu「楽しむ気持ちも良くわかるけど,大きな声を出すなら外でやってほしいな。仮太郎くんの元気な声が外から聞こえると先生も嬉しいから。もうこんなことはしないと思うけど,次からはやらないように気をつけてね。」

仮太郎「はい,すみませんでした。」

と,まぁ,こんなに都合よく話が進むかどうかは分かりませんが,私なら頭ごなしに叱るのではなく,まず相手の言い分を聞きます。その後,ダメなものはダメと指導を入れるのです。さらに最後には,あなたのことを信じている,あなたにそんなこと(人に迷惑をかけるようなこと)をして欲しくないというメッセージを伝えて指導を終わりにします。気をつけてほしいのは,最後は必ずポジティブなメッセージで終わるということです。人は最後に起きたことを覚えていやすいという性質があります。だからこそ,最後はあなたに期待しているよというメッセージを伝えてください。

チャンスがあれば子どもたちとたくさん会話をする

もう一つ心がけて欲しいことを挙げるとすれば,子どもたちとたくさん会話をしてください。つまり,日頃から信頼関係を構築しておくことが大切だということです。あなたも,信頼している先輩や上司からの助言は素直に受け入れられても,そうでない方からの助言は中々素直に受け入れられないのではないでしょうか。子どもたちも同じです。信頼できる大人からの話だからこそ,素直に受け止め,改善することができるのです。

子どもたちは有能

このような指導を続けていると,子どもたちは必ず改善してくれます。私が心がけていることは,「子どもたちは有能だと信じること」です。子どもは圧倒的に経験が不足しているだけで,大人と遜色のない一人の人格者なのです。だからこそ,子どもたちを信じ,任せることができるのです。人は信じられている,期待されていることに応えようとする心理があります。上記の考えを常に心に留めておけば,必ず子どもたちはより良くなろうと改善をしてくれるのです。

得意を発揮することの大切さ

私の理想は「子どもたち一人ひとりが個性を発揮できる場を作ること」です。現在は学級担任として,クラスの子どもたちや授業で関わっている子どもたちの個性を大切にしていきたいと思っています。大人になると苦手なことがあって当たり前なのに,子どもには許されない。もちろん,苦手を克服しようと努力することは大切ですが,苦手を克服するだけでは意味がありません。他の人にない自分だけの強みを見つけ,磨き続けることが大切だと思うのです。

「不得手なものを並みの水準にするには、得意なものを一流にするよりもはるかに多くのエネルギーと努力を必要とする。あらゆるものが強みによって報酬を得る。弱みによって、人は何かを成し遂げることはできない。」ピーター・ドラッカー(経営学者 社会学者)

有名な「マネジメント」という世界的なベストセラーの著者,ピーター・ドラッカーは上記のように言っています。

ちなみに,日本を代表するコメディアン,萩本欽一さんも下記のように得意なことを大切にしなさいとおっしゃっています。

「得意なこと」と「やりたいこと」は一致しないんだよ。だから、まずは「得意なこと」を見つけなさい。それが成功すれば「やりたいこと」はできるようになってくるから。萩本欽一(コメディアン)

みんなで子どもたちを育てたい

私も,子どもたちに,自分の好きなこと,得意なことを見つけ,それを磨き続ける人生を歩んでほしいと願っています。そして,そんな子どもたちを育てる手助けがしたいと思っています。地域,保護者,先生,みんなでそんな子どもたちを育てていきませんか?

では,今日もここまでお読みいただきありがとうございました🙇‍♂️

また次回のnoteでお会いしましょう😆

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