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ストリートの子供達【3フィリピン編】

※写真はフィリピンで仲良くなった島の子供達。記事の子ではありません。    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

フィリピンの天候は変わりやすい。
島国な為、快晴かと思いきや
いきなりバケツをひっくり返したような
激しいスコールがあったり…

ヒドい時にはそのスコールで
道路が水没したり、
電車が止まることも多々あった。



その日も日中は1人ぷらぷらと観光し
夕方頃から急なスコールが伴った。

その日は特に激しめのスコールが
帰宅ラッシュの時間に発生。


電車も動かなくなり皆が一様に電車を降り
タクシーに切り替えたり雨宿りしたり…


急いで帰る理由もない為        停まってしまった駅で降り
帰宅ラッシュの光景を眺めていた。


しばらくぼーっと見ていると
通り過ぎていく人混みの中に
10歳くらいの男の子が
びしょ濡れになりつつも
一生懸命に傘を売りさばいていた。


自分も会社員時代に東京の各駅で
通り過ぎる人全員に声をかけて
営業していた情景が思い出される。

50人に1人ぐらいは立ち止まってくれるが
それでも長時間無視され続けると
さすがにへこたれてしまう。


「&#&&_/&#/_##〜!!」

その男の子はずっと声をかけ続けていた。



しばらくするとそばに来て片言の英語で

「傘買わない?」と声をかけてくれたが
残念ながら必要ない旨をと伝えと、

彼は外国人の俺に興味を持ったのか色々と聞いてくる。

 

「ねぇ!どこ出身?何してるの?
日本ってどんなとこ?」など…


日本の写真を見せたり、カメラで
遊んだりしていたが、
しばらくするとその子のお兄ちゃんの
ような子が来て彼を叱っている、

仕事をしろ!ということらしい。



俺「お兄ちゃん?」

少年「ノー、ボス!」


ん?…ボス?
あだ名?

まあそこまで聞くこともないので
その場は流し、再び行き交う人に
傘を売り出した。



今思えば何故そうしたか分からないが…


「俺も一緒に手伝ってやんぜ!」


的なことを言いその子と土砂降りの中、
通る人全員に傘はいらんかね〜?と
現地語(タガログ語)で声をかけ出した。

(フィリピンでの共通言語は
英語とタガログ語の二言語)


彼の発音するタガログ語を       真似して言っているのだが       それが随分面白いらしい。


ケラケラ笑いながら一緒に声をかけ続けた

 

すると、その光景が珍しいのか
チラホラと傘を買ってくれたり
チップを貰えたりして
彼と2人ハイタッチして喜んだ。


持っていた傘も売り切ったので
2人で近くのコンビニに行き、


「好きなだけ買い物カゴにつめてこいよ」 

 

と言ったものの、
しばらくして彼が持ってきたものは
1番ちっちゃーなジュースのみだった。


あら?俺の英語力不足かと思い

お菓子やデカいジュース、
お惣菜を彼に渡してみても
首を横に振って受け取ろうとしなかった。

 

外で一緒に地べたに座って
彼と乾杯し、色々教えてもらった。


彼の夢を聞いたり日本語を教えたり
タガログ語を教えてもらったり
好きな子がいるのかや
普段何して遊んでるのかなど…


汚い路地裏だったけどその時の空気感は すごくキラキラした素敵な時間を
彼と共有させてもらった。




日も完全に暮れると人通りも少なくなり
一気に雰囲気が変わってきた。




千と千尋で言うとこの
夕方から夜になるシーンみたいな…



裏路地からは同じ人が出たり入ったり…

明らかに敵意のある目で見られたり…




すると…

男が近付いてその子に何か言っている。



その男の口調的にもどうもここには
長居すべきじゃなさそうやなぁ…



それからすぐその子が手を引き     (千と千尋で言うとこのハクのような…)


人通りのある道へ案内してくれ
小雨が降る中タクシーも止めてくれた。



その行為にもだが、純粋に
楽しい時間をくれたお礼に
お金を渡そうとしたが


それも首を横に振って
受け取ってくれなかった。



彼とは大きな大きなハグをし別れた。



別れ際に

「アギトウ!」(アリガトウ)

と覚えたての日本語でお礼を言って
またあの路地裏に走り去ったのでした。


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今回のこの出来事は途上国に
行ったことのある方なら
衝撃的なことだと思います。


自分が旅してきた3年間で色んな
ストリートの子達に会いましたが
彼のような子は本当に珍しいケース
だとフィリピンの先生にも言われました。 

 


よく耳にするのは集団で囲んで
気付けば財布や携帯を盗まれたり

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※写真は全然別日ですが、オーストラリア人の友達と歩いてると、ストリートの子達が駆け寄ってきてポケットをチェックしてる時です。


もっとヒドいケースになると
ナイフを持って脅したりする
ケースもあるとのことです。


だから無闇に近づいたり、そのエリアに入った際は危険を伴う可能性がある。   ということは後日の留学先の学校で教わりました。


ストリートチルドレンは
子供達だけで形成されてるグループもあり
その集団内にも上下関係があって
集めたお金は全てボスに渡して
そこから自分の取り分になるらしい。


なので途中に現れた15歳ぐらいの少年が
あの場のボスだったのかと思います。


※これはあくまでフィリピンの先生に
聞いた話しなので全部がそうとは限らないです。


また本当の親がいない子も多く
家や仕事がなく学校にも行けず     路上生活をせざる得ない環境下で

お金を欲しなかったのはただ純粋に
友達と一緒に遊んだ感覚だったのか
自分のノルマ分を達成したから
必要なかったのか




答えは分からないけど、

一つはっきりと気づかせてくれたのは


彼らが本当に欲しいのは
お金や食べ物じゃない。

愛に飢えてるだけ


じゃないかと思わしてくれる      出来事でした。

皆さんはこのことをどう思われますか?



〜続く〜

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普段より随分真面目な内容になっちゃいました。

フィリピン編まだ事件や珍事に巻き込まれていきます。

読んでいただきありがとうございます! ※絶対サポートしないで下さい!!! ただし1円でもサポートして下さった方にはもれなく…