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キャリア的視点221 -テレワーク・マネジメント-


毎日ブログ 221日目(2020/10/6)

テレワーク導入は焦らない方が良い

最近は少しずつ新型コロナウイルス感染拡大施策による経済への影響も、少しずつではありますが緩和されてきている様に思います。
やはり新型コロナはインフルエンザと同じように、すぐそばにある疾患として考えて、過剰になりすぎず経済を回していく事が大切なんだな、なんて思ったりしています。

緊急事態宣言が発令されていた中ではテレワークを導入していた企業も、宣言が解除されて以降、徐々にテレワークを取りやめる企業が多い様です。

もともと政府の主導でテレワーク・リモートワーク自体は進められていた訳ですが、各企業にしてみたら、検討を開始し始めたばかりの準備が間に合っていないタイミングで、緊急事態宣言によって導入せざるを得なかった訳で… 元に戻っていくのもある意味当たり前の流れなのではないでしょうか。

私もテレワーク導入は「焦らない方が良い」と思っている派です。
世の中の流れに乗って… というのも大切なのでしょうが、焦ってはいけません。

なぜか。


それは人に関わる問題だから

システム的な導入自体はそんなに問題ではありません。
もともと多くの企業さんがパソコンも導入していて、インターネット回線にも繋がっています。回線速度はわかりませんが、それでもそこそこの速度はあると思います。ここまでは私にだってできます^^;
唯一、セキュリティーの問題が大きくかかってきますが、それもハード的な話は専門家に頼めば比較的容易でしょう。

私が「焦ってはいけない」という点は「人」の問題があるからです。
注意すべきは2点。

一点目は先と同じセキュリティー面ですね。いわゆるハードに対するソフトの面です。コンプライアンスと言い換えても良いと思います。
上司や同僚の目が届かないのをいいことに、企業の持つ秘匿性の高い情報(顧客データや個人データなど)を、外部ストレージにコピーして…
不正競争防止法違反に手を染めてしまう人が、増える可能性を考慮する必要があると思います。
「うちは従業員を信じてますから」
というのは組織としての努力義務を放棄している言葉の様に思います。信じている社員を信じ抜くためにも、行うべき責務はしっかりと施策してください。
コンプライアンスというのは、信じる事とは別の問題だと認識してくださいね(^^)

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二点目は、従業員の内面、メンタルのフォローです。
これまでは同じ職場内で一緒に居たために気付くことができた機微の変化に、上司や同僚が気付くことができるのか、という点です。この問題はその先に一点目の問題に繋がる可能性を秘めていると思います。また不平・不満の温床になりやすいのです。
何よりも、直接会う事のない世界で、どのようにチームワークを構築していくのでしょうか? 信頼関係はどう培っていくつもりなのでしょうか?

この2点の問題を解決する方法はあります。ただ、それなりの時間を要する場合が多々あるのです。


ジョブ型雇用に必要な特性

テレワーク導入の話の際に、人事評価制度に関してはちゃんと考えて、様々なシステムを考えているようです。
出退勤管理、休憩時間の管理、業務の成果、などなど…
しかしそこには、従業員の心的フォローが決定的に抜けている様に感じてなりません。

そのように指摘すると
「1on1ミーティングを一ヶ月に1度やっているから大丈夫」
と返されることもしばしばです。
全く足りない、と思います。
これで足りるのは極一部の、ある特性を持った人たちだけだと思います。

その特性とは、「主体性」『自律性』です。
主体性を持った方たちは、「自分のやるべきこと」に対して、「自分で何をやれば良いのか」を判断して行動できる人達です。
自律性があると、先のコンプライアンスも含めて、やるべき事を見極め行動できます。

主体性に似ていますが、自主性も大切です。
主体性との違いは、目標設定の際に、自分で決める(主体性)か誰かが決める(自主性)かの差です。

要するに、仕事のやり方が「メンバーシップ型」から「ジョブ型」に移行する中で、委託先の個人事業主であるかのような誰からのフォローが無くても業務を達成できる人材であることが求められるのです。

皆さんの会社で、その様な人材はどれだけいるのでしょうか。
私が慌てない方が良い、というのは、従業員の成長、キャリア自律を促進し、主体性のある人材になってからの話です。
早い人は数週間後には変わっています。そんなに待つ必要もないかも知れませんよ。

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ただ会社から、上司から「与えられた仕事をこなす」人では、テレワークになってすぐはともかく、数ヶ月もすると心的ストレスが溜まってしまうでしょう。溜まったストレスに誰が気付いてくれるのか…?

更に言えば、新卒をはじめとした新入社員に対してはどのようにしていくのか。
これからはどの様にチームワークを育てていくのか。
これらも併せて考えていく必要があるでしょう。

「やってみてから考える」が正しいとは限らない

私がこの様にテレワークの危険性を訴えると、
「なぜ最初からそんな問題点ばかり気にするのか」
「考えるより、まずやってみる。それから考える。」
などと言うことを言われることもあります。

言いたいことは分かりますし、通常ならその意見に賛成するのですが、今回の対象は「人」です。物ではありません。
「やってみてから考える」では遅い場合も多々あります。
私からしてみれば「やる前から問題点が明確なのに、なぜ初めから対応しないのか」と思うのです。

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退職者の9割は「不本意な退職」だと言われています。
表向きの退職理由はポジティブに聞こえても、それは「円満に退社したい」「余計なトラブルは避けたい」と言った感情から、本心を伝えていないのです。転職のアドバイスにもこぞって書いてありますから、読んだことのある方も多いでしょう。
離職率で悩んでいる会社こそ、テレワークの導入は注意が必要なのかも知れません。

テレワークの導入という場面でも、キーワードは「主体性」でした。
様々な場面において「主体性」と言う言葉はキーワードになります。
主体性を身に着ける方法はありますので、いつでもお声がけください^^



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