アロマディフューザーのある暮らし
無印良品週間だったので、アロマディフューザーを買った。
アロマディフューザーとは、無印に行くと必ずある、ぼんやり光りながらいい匂いのする煙をしゅこーっと吐き出している、アレである。
わたしはなぜかずっとアレが欲しくて、無印にいくたび「いいな......」と思っていた。なんか、おしゃれな感じがする。きっとアレが家にある人は、家の内装も凝っていて、料理もきちんとしているにちがいない。毎日を大切に生きている人種だ。
友人には「そんなによくもないんじゃない......?アロマディフューザーなら他の店にもあるんじゃないかな......なんか、シンプルすぎだし......」とごもっともなことを言われていたのだけど、わたしは無印で買いたかった。たぶん無印良品の店舗に対する良いイメージ(シンプルで、ていねいで、おしゃれな暮らし!)と重ね合わせていたからだろう。無印良品のブランディングにまんまと踊らされている、可愛い小市民である。
しかし、なにせ天下の無印さま、余分なものをそぎ落としているから安いのではないかと思わせておいて、しっかりお値段そのままだ。5000円以上する。高い。そして生活に必要不可欠か否かと言われれば完全に否、不必要だ。だいたいこの梅雨のじめついた時期に余計湿気を増やしてどうするというのか。
でもまあ、ごちゃごちゃ御託を並べておいてあれですけれど、買っちゃいましたよね。だって無印良品週間なんですもの!
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結果的に言うと、とっても買ってよかった。
心の奥ではアロマディフューザーなんておしゃれ人間のためのものでしょう、という意識があったのだけど、だからこそよい。
いままでのわたしの部屋にはアロマディフューザーはなかった。しかし、もはやわたしはアロマディフューザーのある部屋に暮らす女である。となると、当然わたしはアロマディフューザーのある部屋に暮らす女らしく生きなくてはならない、という思考になる。
なので散らかっていた部屋を綺麗に掃除し、服にはきちんとアイロンをかけた。なるべく野菜中心の食事を心がけるようになった。ぼんやりしていた脳みそに負荷をかけて物事を考えるようになった。これがすべてアロマディフューザーのおかげである。
物自体もよいものだ。お部屋はとってもいい香りになるし、ぼんやりと光るランプを眺めている時間はとても贅沢なものだ。デザインも凝っているわけじゃないけれど飽きのこない、部屋のインテリアを邪魔しないかんじ。おすすめである。
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今、高野悦子『二十歳の原点』を読んでいる。立命館大で学園紛争の時代を生きた女の子の日記らしい。『アンネの日記』も『八本脚の蝶』も『薔薇は生きている』も、よく考える、真面目な女の子の日記は好きだな。
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