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ゲーム空間に国家権力の届かない「検閲されない図書館」を設立 【PR研究所012】

 言論の自由を守るために活動するジャーナリストのための国際的NGO「RSF(国境なき記者団)」は、世界的ヒットをしたゲーム「マインクラフト」空間上に、国家権力の届かない「検閲されない図書館」を設立しました。

 RSFは、世界中で起きているさまざまな問題に対して、真実を伝えようと「言論の自由」を第一に活動しています。近年は、インターネットの言論統制が厳しくなっている傾向にあり、政府当局が情報を制限したり改ざんしたりするようになってきています。

 インターネット上の言論統制が進む中でも、真実を報道しようとするRSFは抜け道を見つけたのです。それが「ゲーム空間」です。

 Webメディアに情報を載せるとすぐに検閲がかかってしまいますが、ゲームには検閲がかかっていないことを利用し、各国の人権問題をはじめとする情報を、マインクラフトの中へ図書館をつくり、載せていきました。図書館は、「The Uncensored Library(検閲されない図書館)」と名付けられました。

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 (図書館の中の様子 めっちゃデカい。You tubeよりスクショ)

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(実際に読むことができる)

 「検閲されない図書館」の本は、一度ユーザーがダウンロードしてしまえばのちのち図書館が削除されてしまった場合でも、ユーザーの手を渡って守られることができます。
 Gamers Staitionに、中に入ってみた記事があったので詳しくみたい方はぜひ。

 言論の自由を絶対に守るという深い信念を感じる、RSFならではのPR施策でした。 

 PRの事例として特に注目すべきは1点あります。
 それは、団体の大事にしている「信念」とテクノロジーが地続きになっている点です。ゲーム空間を利用するというテクノロジーの新規性も、十分注目集めの"フック"という意味では強力ですが、何よりもRSFの大事にしている「言論の自由を守る」ことが根幹にあると感じます。「検閲されない図書館」の作り込みからも、ゲーム使いました!という新規性ではなく、団体の強い信念をゲーム空間で実現したという印象の濃いPRです。

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