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家族という名の一番近くにいる愛すべき他人

2019年に双子の妊娠がわかり、その流れで夫と入籍をして、今年で5年が経過。時間が経つのはあっという間だ。

夫は大学時代からの友人で、出会ってからはかなり長い。でも、同棲期間は半年ほどで、すぐに双子が産まれたから、ふたりで過ごす時間は想定よりもかなり短いものだった。

だから、ふたりの生活・暮らしというものをつくる時間はわたしたちにはほぼなくて、すぐに子どもがいる生活・暮らしをどうしていくかに移っていった。

そして、それはわたしと夫と双子の4人での生活・暮らしを作っていくことにとどまらず、わたしを育ててくれた家族と夫を育ててくれた家族との関係性を含めて、それらをどう紡いでいくかということだった。

よってこの5年間、本当にいろんな場面で「家族」というものについて考えてきて、現在も進行形で考え続けている。

価値観のちがいとかける言葉

夫と子育てを共にしていると子どもへの声がけの差異に気がついて「あ、この人はこうやって声をかけられて育ってきたんだな」と思うことが多々ある。

たとえば、子どもが風邪をひいたとき。夫はできるだけなにかを食べさせようとする。わたしは食べれないなら無理して食べなくていいし、食べたいものがあるならなんでも食べればいいと思っているので、食べないことについてあまり気にしていない。

どうやら夫は「たくさん食べて早く治そうね」と育てられたようだった。わたしは「たくさん食べな」と言われたこと、ないなー。

そういう細かい違いがたくさんあって、気がついたときには「もしかして○○って言われて育ちました?」とか「○○が大事だと思ってます?」とか言葉は色々だけれど、なんやかんやな方法でやんわり確認し「そうだけどなに?」という会話をする。

その上で、どちらかに方針を合わせることもあるし、それぞれのやり方をそれぞれが大事にすることもあれば、折り合いをみつける努力をすることもある。そんな感じでこの5年間を過ごしてきた。

家族の捉え方のちがい

今のところ一番大きくちがうと感じているのは「家族」というものの捉え方。

わたしは4人家族の末っ子で育ち、4つ上の姉とは30代になってもずっと話していられるぐらい仲良し。

60代の母もそれに加わることも多く、3人でキャッキャとLINEで話したり、休みを合わせて出かけたり。大きな亀裂なく、ここまで過ごしてきた(と、わたしは思っている)。

でもこれは「家族だから」ではなくて、3人がそれぞれにお互いを大事に思って、大切に関係性を育ててきたからだと思う。

本当にたまたま、互いの「大切にする方法」と「大切にされていると感じる瞬間」が似ている3人だったのだと思う。

だからこそ、わたしは側から見たらちょっとおかしいぐらいに、3人の関係性が崩れてしまいそうになることを頑なに避けようと生きてきたし、母と姉が嫌な思いをしていないか、とても気を使って過ごしてきた。

変に気を使って緊張しているわけじゃなく、大切な人を誰よりもわたしが大切にしたい。そんな気持ちがとても大きい。

対して夫は、「家族なんだから」という価値観で育ったようなところがある。

「結婚して家族になったんだから、〇〇して当然」みたいな価値観を当たり前のように関係性の中で感じるたびに、「いや、家族だからとか言われても無理やで」とわたしが言っては、「こいつ冷たいやつだな」という顔を夫に向けられた。

補足しておくが、わたしはそんなに冷たい人間ではない(はずである)。

家族になるにも時間がかかる

結婚したら家族になれたり、子どもを産んだら母になれたり。役割や名称的にはそうなのだと思う。

でも、実際には「はい、明日から家族です」みたいなことではないし、「家族だから仲良し」とか「家族だからみんな大好き」とかそんなことはない。

誰とだって、時間をかけて関係を育てていかなくちゃいけない。頑張ったからって全てがうまくいくわけでもない。

子どもが成長するたび。夫とわたしの状況が変化するたび。両親になにかあるたび。わたしたちの間にある「当たり前」を疑い、組み立て直さなくてはいけない。

そしてその努力が結果として現れるのは、10年、20年先の話だったりすることもある。

夫と結婚して5年。子どもを産んで5年。

新しくつくった家族は、5年経っても「またまだこれから」という気持ちが強い。

どこまでいっても他人なわたしたちの関係性が、「家族だから」なんて言葉で簡単に片付くわけがない。

結婚してすぐに「新しく家族になるわたし」を快く迎え入れて「今日から家族」と受け入れてくれた夫と義母のこと、本当に感謝している。

双子が生まれてからも、相当な時間とお金と労力を傾けてくれていることも、当たり前のように家族として愛してくれていることも、本当に感謝している。

でも、まだまだわたしと夫、それから義母の関係性はこれからだと思う。もちろん子どもとわたしの関係もそう。

この5年間で夫や義母、双子たちのことを知ろうと努力してきたし、暮らしを一緒に整えてきたとも思っている。それはちゃんとこの5年間で結婚当初よりも積み上がってきている実感はある。

でもそれは、まだわたしにとっては「5年間」という積み上げでしかない。

ちゃんと大切にしたい、愛したい。だからこそ、一番近くにいる他人である家族のことを「家族だから」と簡単にひっくるめて考えずに、ちゃんとわたしとあなたとの関係を。子どもたち含めた関係を。長い時間をかけて積み上げていきたいのだと思う。

それはわたしのエゴかもしれなくて、夫や義母のやり方とは少し違ったものなのかもしれない。

それでも、どちらかがどちらかに無理に合わせるという形ではなく、時間をかけるという手法をとって、お互いに寄り添い合えたらと、5年目のいまは思う。

これから先の未来で、どうわたしたちが変化していくのか、楽しみに日々を過ごしたい。


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