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トイレは恥ずかしい!?

駆け出しのライターとして出会ったメンバーたちが、毎回特定のテーマに沿って好きなように書いていく「日刊かきあつめ」です。
今回のテーマは「#トイレ」です。


子供の頃、なぜか毎週金曜にお腹が痛くなっていた。
授業中クラスメイトの前で、「先生、トイレに行きたいです」の一言が言えず、祈るように終わりのチャイムを待った。授業の内容なんてうわの空で時計と睨めっこ。変な汗が出てきた。
波のように襲ってくるお腹の痛みと「ああもうだめかも」という絶望感。
「お腹冷やしちゃったのかな」
「何か悪いもの食べたかな」
「なんで毎週金曜なんだろ」
「あー神様、なんとか授業終わるまで持ち堪えますように」
そんな事ばかりが頭をぐるぐる回る。

無事休み時間を迎えても油断はできない。女子トイレに誰もいないのが望ましい。なるだけひっそりと済ませたい。でもそんな悠長な事言ってる場合じゃないから誰がいようと泣く泣く念願の排便をするわけなのだけれど。

おしゃま女子たちの連れションに遭遇したりしたら最悪。トイレに入ったあと、一丁前に鏡の前で髪の毛直したり他の女子の悪口言ったりしてしばらくそこにたむろする。それに彼女たちって、
「べみんちゃん、多分さっきう○こしてたよねー」
とか言いふらしそうじゃない?(いや、多分言わない)自分にそんなイメージつけたくない。いじめられちゃうかも。
てなわけで危急存亡の秋ひきつる笑顔でニ、三適当な会話を交わしてご機嫌をとっておく。気苦労の多い小学生女子である。

それに引き換え、クラスは平然と
「あーう○こしてぇ」
とか大きな声で言えちゃう明るい鈍感系男子もいた。
周りも
「してこいよ笑」
となるから割にすんなりトイレに送り出してもらえる上に
「スッキリしたわ」
とか言いながら戻ってきてクラスにひと笑い起こして終了。

私にとっては死ぬ程恥ずかしい感覚がこの人にはない…!?
う○こごときで揺らがない自己肯定感の高さ羨ましい…!
むしろ堂々と便意を公表して好感度上がってる気がする。
彼はわたしより数段この世界が生きやすそうだ。

文 べみん
編集 アカヨシロウ

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