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スープをこぼした今日のはなし。

今日も職場のハイビスカスは元気よく2輪咲いていたのに。

寒い。寒いって言いたくないけど、本当に寒い。
こたつに入って1時間以上経つというのに、私の両足のつま先は、冷えたままだ。
外の寒さのせいだけではない気がする。
心もカチコチしている。

バディの先輩が休みで、ひとりでやらなきゃいけない日だ。そういう日はいつもと違う緊張感がある。

いつも通り開店準備をして、午前中はいいかんじだった。だから、油断したんだと思う。

できたて熱々のスープを鍋つかみをしてそろりそろりと、手を火傷しないように、足元に無造作に置いた雑誌につまずかないように気をつけて運び、テーブルに置く直前で傾けて、スープがこぼれて、そばにあった大事な本を汚してしまった。
例えるなら、だいたいそんなようなことが起こった。

気をつけていたんだから、それでもそうなるなら仕方がないと言ってしまえばそれまでだけど。

なぜあそこで一瞬よそ見してしまったのか。
そもそも、テーブルの上の本を片付けておけば。
そんな後悔を、渦のように頭の中で繰り返し、気づけば緩んでしまう涙腺をなんとか締め直しながら、歩いて帰った。

家に着いて、手洗いうがいをし、とりあえず締めていた涙腺をゆるめた。
だらだらと涙と一緒に、後悔、反省、悔しさ、情けなさを垂れ流した。

それでも、転びっぱなしは性に合わないから。
良かった点と反省点を紙に書き出して頭の中を整理した。
「慣れ」「油断」があって、それを「自覚できなかった」のが今回の1番の反省点。
まだまだ修行が足りない。

そしたら、お腹が空いてきた。
こういう時はあたたかくて、柔らかいものがいい。
小さい土鍋でお出汁で炊いた、たまごがゆを作って食べた。
おなかの中が暖かくなったら、今日かけられた、あたたかい言葉を思い出した。

上手くいかなかった私に、「まずは、大変だったね」と声をかけてくれた人がいる。上手く頑張れなかったけど、「頑張ったね」とLINEをくれた相方がいる。
反省もしたし、ご飯も食べた。いま私にできることは、しっかり寝て、揺れる気持ちを明日に引きずらないことだけだ。

ろくな晩じゃねぇや。
寝ちまえ、寝ちまえ。
寝て起きりゃ別の日だ。
杉浦日向子\漫画『百日紅』


noteを書いていたら、つま先も少し温まった。
早くお風呂に入って眠ろう。
春はもうすぐだ。




最後まで読んでくれたあなた。
ありがとうございました。

春瀬

最後まで読んでくれたあなた。 ありがとうございました。またいつか🍄