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組織の"共感"、"共創"を増幅させるファシリテーションスキル

プレゼンテーションの良し悪し

昨日は、LEGO®️SERIOUS PALY®️を用いた研修を踏まえた、2020年度事業計画と結びつけた"プレゼンテーション研修"の講師を務めてきました。

LEGO®️を用いると、概念を言語化した作品(個人・共有モデル)を簡単に再現することができるので、模造紙と付箋を用いる方法より断然手軽です。

プレゼン

福祉現場の職員では、人前で話す機会としては外部講師を務める機会より、現場の各種会議や委員会、関係団体の会合などの方が多いはず。
そうした場では、一方的に主張するプレゼンテーション(以下、プレゼン)というよりかは、参加者との相互コミュニケーションの方が圧倒的に多いと思います。
ただし、相互コミュニケーションを行うにしても、「主張→根拠→結論」というプレゼンに求められる論理的思考は必要です。
「この人の話はわかりやすい」「正しいことを言っている」と"共感"を得ることができれば、自ずと"聞き手"との信頼関係が構築されます。
今年の"プレゼンテーション研修"では、「主張→根拠→結論」が"聞き手"の"共感"を得られたかどうかという点で、職員のスキルの差が出てき他感じです。

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"場"を作るためファシリテーションの必要性

そして、今年の"プレゼンテーション研修"で付け加えて伝えたかったのは、「発言者は"伝え手"であり、"聞き手"でもある」ということ。
"伝え手"の立場としてプレゼンスキルが必要となり、"聞き手"の立場としてファシリテーションスキルが必要になるということです。

例えば、あなたが主張したこと(主張したいこと)が"共感"されなかったら、あなたはどのように切り返しますか。
"共感"が得られず、そこで諦めてしまっては、LSP®️が目指すよう「100:100の会議」を実現することはできません。

場に応じて、質問・助言・評価・指示を使い分ける

自分自身の主張に"共感"してもらったり、主張や提案をブラッシュアップするためにも、"聞き手"を引き込ませる場づくりとして、ファシリテーションスキルを磨く必要があるわけです。


では、具体的にどのようなファシリテーションスキルを身につけていけば良いでしょうか。
少し古い書籍ですが、『問題解決ファシリテーター「ファシリテーション能力」養成講座』から、下記に参考となる部分を抜粋させていただきました。

ファシリテーションスキル

左側の状況ごとに、質問、助言、評価、指示のアプローチにより、"聞き手"に対する問いの投げかけ方や働きかけ方が変わってきます。
どの状況下で、これらのアプローチを用いれば、場づくりに効果的に作用するか、その場の雰囲気や空気を読んで使い分けることが必要です。

例えば、

「今出ている意見だけ取り組めば解決しますか(質問)」
「今出ている意見にだけでは解決できないでしょう(評価)」
→「私は解決できないと思います。なぜならば〜。だからこそ、○○○に取り組む必要はないでしょうか(問題提起→提案)」

「他に考えられる要因はないだろうか(助言)」
→「現状の課題から考えると、○○○という要因は考えられないでしょうか(問題提起→提案)」

「今出ている意見以外にも意見を出してください(指示)」
→「○○○という視点で何か意見はありませんか(誘導→提案)」

と、自分自身の主張をしたり、主張する前に"聞き手"からの"共感"を得られやすくするための場づくりをファシリテーションしてから、本題のプレゼンを行うことは効果的なアプローチです。
これは一般的にいう "根回し(裏工作的に合意形成を図る)"と呼ばれるものではなく、純粋にプレゼンテーションの効果を最大化させるために必要な場づくりとしてのスキルとして持っていて損はないと思います。

"共感"、"共創"を増幅させるファシリテーション

LSP®️では、各自が作った作品を介して言語化し、個人・グループに対して、ファシリテーターが質問、助言、指示、評価を使い分けながら、共有の合意形成を図っていきます。
我々ファシリテーターがLSP®️について伝えたいことを最大化するために、ファシリテーションを行うわけです(そのための養成トレーニングを受講するのです)。

プレゼンテーションが最もうまい人物として、スティーブ・ジョブズがよく取り上げられますが、商品説明会を見ていても、発表された新しいApple製品をすぐ手にしたくなるぐらい、"聞き手"の"共感"を引き出す言葉や身振り手振り(ジェスチャー)、デモンストレーション、ストーリー(構成)などの要素がプレゼンテーションの中に盛り込まれています。
せっかく良いプレゼンであっても、雰囲気や"聞き手"の反応がイマイチで、ファシリテーションによってうまく場が出来上がっていなければ、"聞き手"に対する効果的な"共感"、そこから生まれる"共創"という行動変容は得られないでしょう。

「主張→根拠→結論」に沿ったコミュニケーションを行う上で、もはやプレゼンスキルは必須スキルといっても過言ではありません。
上の立場になる方にとっては、プレゼンの効果を最大化するための場づくりとして、ファシリテーションスキルも併せ持つことが、"共感"や"共創"をうむ、全員参加の組織づくりに欠かせないスキルの一つであることは確かだと言えます。

管理人


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