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-映画紹介-『カリフォルニア・ドールズ』 美人でグラマラスな最強の女子プロレス・タッグはいかが!

《乱れ撃ちシネnote Vol.59》

『カリフォルニア・ドールズ』 ロバート・アルドリッジ監督 1981年公開アメリカ 

鑑賞日:23.02.24 U-next

【Introduction】
世の中には2種類の人種がいる。
プロレスを楽しめる人種とインチキだと馬鹿にしている人種だ。

大昔誰もが力道山を応援していた時代には毎週金曜日にテレビの前にかじりついていたが力道山が赤坂のナイトクラブでヤクザに刺されあっけなく死んでからぼくはプロレスから遠のいていた。

長与千種とライオネル飛鳥のペア“クラッシュ・ギャルズ”の時代も熱中した。と言ってもクラッシュよりもジャガー横田や神取忍が好きだった。

正式にはプロレスではなく総合格闘技だけど前田日明のリングス旗揚げからの最初の何年かも熱中し前田日明の本まで出版した。

プロレスはインチキではない。
格闘技に演劇的味付けをしたエンタテイメントだ。
本気で格闘したら瞬時に試合が終わってしまうか死んでしまうだろう。
カウント3まで反則が許されるというルールが競技とは言えないし。
本気で闘いながらも演劇的演出のビミョーなさじ加減が加わるのがプロレスの面白さだ。
村松友視さんの名著「私プロレスの見方です」によれば「虚実皮膜でまるで人生そのもの、それがプロレスの面白さ」なのだ。

前回の『何がジェーンに起こったか?』の

ロバート・アルドリッジ監督の遺作が『カリフォルニア・ドールズ』。
女子プロレスを扱った作品だ。

主演はぼくが大好きなピーター・フォーク
1963年に日本でもテレビ放映されたアメリカのテレビ映画『トマトの値段』(1961)で一気にフォークのファンになってしまった。
この作品でピーター・フォークはエミー賞ほか数々の主演男優賞を受賞している。

『カリフォルニア・ドールズ』は美人で実力もあるが売れない女子プロ・タッグチーム“カリフォルニア・ドールズ”と一攫千金をねらうマネージャー3人のロード・ムービーだ。

【Story】
女子プロレスのタッグ・チーム“カリフォルニア・ドールズ”のアイリス(ヴィッキー・フレデリック)とモリー(ローレン・ランドン)はマネージャーのハリー(ピーター・フォーク)と地方ドサ回りの毎日だ。

移動はハリーが運転するオンボロ・キャデラック。
食事はハンバーガー。
宿泊は安いモーテル。
冬でも車の暖房を使わない。
時には車と一緒に走ったりエンコした車を押すのがトレーニング。

そんなゆううつな旅を続けていた。
美人で長身でグラマラスなドールズの2人は実力もある。
アピール度満点なのに大きな試合に恵まれないのはマネージャーのせい?
ハリーはギャラ交渉で値切られて1試合たったの240ドル程度の収入。
時折高いギャラで出場すると見世物的泥んこプロレス。
たまにはナプキンを使うレストランで食事をしたいし豪華なホテルにも泊まりたい2人は大きな夢ばかり追っているハリーに不満が募るばかりだった。

ようやく人気が出始めたドールズにチャンスがめぐってきた。
ネバダ州リノで開催される女子プロ王者ビッグママの世界王者決定戦の前座試合への出場が決まったのだ。
博打で獲得した軍資金でハリーは試合当日さまざまな秘策で会場を盛り上げた。
カリフォルニア・ドールズへの声援が会場を埋め尽くしたころ30分一本勝負のゴングが鳴り響いた。

【Trivia & Topics】
*二人の女優。
ヴィッキ・フレデリックとローレン・ランドンの試合ぶりが凄い。
彼女たちの敏捷な動きと技はまるで本物の女子プロの試合を見ているようだ。

*ミミ萩原。
日本女子プロレスのアイドルミミ萩原とジャンボ堀が出演しました。

*ピーター・フォーク。
3歳のとき網膜芽腫で右眼の眼球の摘出手術を行ないう右の眼孔には義眼をはめています。

*ロバート・アルドリッジ監督。
『何がジェーンに起ったか?』、『テキサスの四人』、 『飛べ!フェニックス』 『特攻大作戦』、『傷だらけの挽歌 』、『ロンゲスト・ヤード』、『合衆国最後の日』など数々のエンタテイメント映画で知られる監督ですがアーネスト・ボーグナインがたまらなく魅力的な『北国の帝王』がサブスク配信されていないのが残念です。

アーネスト・ボーグナイン

『カリフォルニア・ドールズ』はピーター・フォークにとってもアルドリッジ監督にとっても代表作と言えるでしょう。

【5 star rating】
☆☆☆☆

【reputation】
Filmarks:☆☆☆☆

Amazon:☆☆☆☆

u-next :☆☆☆☆★


本作品に登場した興行師エディ・シスコを演じるバート・ヤングもくせのあるいい役者だ。

バート・ヤング

『ロッキー』(1976)でエイドリアンの兄ポーリーを演じて一気にブレイクしたバート・ヤングの出演作から次回は選ぶ予定です。

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