現代語訳『我身にたどる姫君』(第三巻 その22)
中宮は婚儀の件をおくびにも出さず、少し体調を崩したことを理由に女四宮を二条宮に移した。一方で事前連絡をしないまま、宵《よい》に内裏《だいり》から退出する権中納言を足止めし、典侍《ないしのすけ》を通じて女四宮との結婚に関する正式通告を行った。
もはやこうなってしまっては世間の噂《うわさ》に上がるのは必至である。甲斐甲斐《かいがい》しく世話をする父・関白の意向に従って屋敷を出たものの、どうしようもないまま二条宮へ向かう権中納言の心中は、現実の出来事とは思えなかった。
(続く)
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権中納言がごね続けてきた女四宮との結婚がついに決行されました。中宮の強引さがうかがい知れるエピソードですが、これまでの経緯を考えれば当然の結果ですので、あまり同情の余地はないように思われます。
それでは次回にまたお会いしましょう。
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