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中宮は婚儀の日取りを三月二十日と定めた。特に大げさにするつもりはないと言いながらも、調…
女三宮に拒まれ、夜な夜な三条宮の周辺をさまよい歩く権中納言は仮病とすることもできなかっ…
「どうにかして、女四宮が急な病で倒れて欲しい」 無駄な願いもむなしく、屠所《としょ》に…
耐え難くなった権中納言は、気分が悪くなったと言って寝込んでしまった。 突然のことに父…
関白は「あまり外聞もよくないので、少しでも落ち着いたら参上しなさい」とだけ告げて、権中…
世の人々は、「権中納言の病は、女四宮との結婚から逃れたいという気持ちの表れなのだろう」…
権中納言は屋敷の中や姫君のいる対屋《たいのや》にも足を運ばず、沈んだ様子で伏せ続けた。心を慰める術《すべ》のないまま塞《ふさ》ぎ込んだ末に、密《ひそ》かに中納言の君を呼び寄せ、女三宮の様子を伝え聞いていつものように思いを馳《は》せて涙を流した。 (第二巻 了、第三巻に続く) ★ 権中納言は仮病を押し通して寝込んだままでいる一方、心を慰めるために中納言の君(女三宮の女房)を屋敷に呼び寄せます。 やや意外
本日より、Amazon Kindleストアで『現代語訳 我身にたどる姫君(2)』が発売になりました。今回…