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Wynton Kelly - It’s All Right! (1965)

Wynton Kelly - It’s All Right! (1965)

ウィントンケリーというとハードバップを代表するピアニストでリーダーとしてはもちろんサイドマンとしても多くの作品に参加しました。彼の特徴はよくスウィングしブルースやソウルのフィーリングに溢れた音色、優れたアドリブがありまた、主役をたてるバッキングができるためサイドマンとしても重宝されたのでしょう。このアルバムではそんなケリーの明るい面を強調した演奏で、メンバーにマイルスデイヴィスのリズムセクションに

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Kenny Burrell -  Midnight Blue(1963)

Kenny Burrell - Midnight Blue(1963)

タイトルに相応しいレイジーでアフターアワーズの緩いジャムセッションのような本作をブルーノート社長のアルフレッドライオンは自分の墓に入れて欲しいとまで言うほど本作を愛していました。その理由を彼は全ての音符がスウィングしているからと答えています。このアルバムを語るのにそれ以上何を言えば良いのでしょうか。

メンバー
ケニーバレル:ギター
スタンリータレンタイン:サックス(1,2,5,7)
メイジャーホ

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Art Taylor - A.T’s Delight (1960)

Art Taylor - A.T’s Delight (1960)

どの世界にも「じゃない方」はいます。それは2人1組で活動していて目立っていない人。よく似た名前で知名度が低い方。ジャズ界で一番じゃない方といえばアートテイラーでしょう。もちろん「じゃない方じゃない方」はアートブレイキー。多くのセッションに参加してジャズメッセンジャーズを率いてソロアルバムを何枚も出してそこから巣立った優秀なミュージシャンは数知れず。一方のテイラーは参加したアルバム数は多いもののブレ

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Lou Donaldson- The Time Is Right(1960)

Lou Donaldson- The Time Is Right(1960)

58年のブルースウォークから始まったコンガとピアノトリオをバックにした編成ですが本作ではここにさらにトランペットを加えています。しかもそれがブルーミッチェルとなればブルースを期待できます。ワンホーンでピアノがハーマンフォスターのブルースウォーク、ツーホーンでピアノがホレスパーランの本作で聴き比べたい一枚です。なおオリジナルは青色のブルーノートらしいいいデザインですがリバティからの再発時には目覚まし

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Nat Adderley. Work Song(1960)

Nat Adderley. Work Song(1960)

本作は兄であるキャノンボールと共演することが多かったナットアダレイがワンホーンで吹き込んだアルバムです。ありきたりでないギタリストのウェスモンゴメリーを器用したいという希望でウェスの参加が決まった他、ベーシストにチェロを弾かせるなど変わった試みをしている他、ボビーティモンズが酔い潰れたために仕方なくピアノレスで吹き込んだ曲もあるなど少し変則的な構成です。本作の録音は1960年1月25日と27日の2

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Cannonball Adderly. Them Dirty Blues(1960)

Cannonball Adderly. Them Dirty Blues(1960)

タイトル通りのブルースフィーリングに溢れた本作はブルージーでファンキーなキャノンボールを聴きたい時にピッタリの一枚です。本作はニューヨークとシカゴの2つの町で録音されたり録音中にメンバーが変わるなどややこしい経緯を持つ一枚でセールスは振わなかったものの今では代表作に数えられる一枚です。

メンバー
キャノンボールアダレイ:アルトサックス
ナットアダレイ:コルネット
ボビーティモンズ:ピアノ(1〜5

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Stanley Turrentine - Look Out! (1960)

Stanley Turrentine - Look Out! (1960)

本作はブルーノートからリリースされたアルバムのうちスタンリータレンタインの演奏が聴ける初めてのものですが実は録音順ではこれより後にリリースされたジミースミスのMidnight SpecialおよびBack At the Chicken Shackの方が先でした。しかし録音を聴いたアルフレッドライオンの判断で急遽スタンリーのリーダー作を制作し先に販売する事が決定。バックにはスタンリーと同じピッツバー

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The Three Sounds - Moods (1960)

The Three Sounds - Moods (1960)

 ラテンリズムやチェレスタなどを用いたポップなサウンドでデビューしたスリーサウンズですが段々と本性を表してメンバーのルーツであるブルージーでソウルフルなサウンドになっていきます。本作では後にブルーノートの社長であるアルフレッドライオンと結婚するルースメイソンのカラー写真をジャケットに使った目立つジャケット故か代表作として紹介されることも人気も多い一枚です。実際レコード店の壁に他のアルバムと並べて飾

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Baby face  Willette.  Face to face (1961)

Baby face Willette. Face to face (1961)

今日は幻のオルガン奏者ベイビーフェイスウィレットのファーストアルバムを紹介します。ウィレットは初めはゴスペル、次にR&Bのグループでオルガン奏者をしていましたがピアノに転向しジャズバンドで活躍。1960年にルードナルドソンの紹介でブルーノートと契約して2枚のアルバムをリリース。チェスの子会社のアーゴからも2枚のレコードをリリース。その後金銭的な理由で引退しシカゴで本業の理髪師に戻り(体調不良説もあ

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Baby face Willette . Stop and Listen(1961)

Baby face Willette . Stop and Listen(1961)

今日はベイビーフェイスウィレットの2枚目のアルバムを紹介します。メンバーは前作からサックスのフレッドジャクソンを除いた3人です。

Willow weep for me
スタンダードナンバーをブルージーにカバー。ベースラインがかっこいいです。グラントはあまりバッキングは弾かずに中盤のソロにウィレットに負けないくらいブルージーなソロを弾いています。

Chances are few
オルガンのベース

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Cannonball Adderly- Quintet Plus (1961)

Cannonball Adderly- Quintet Plus (1961)

この不思議なタイトルは当時のレギュラークインテットにウィントンケリーが加わった編成で録音されたことから来ています。レギュラーメンバーのピアニストのヴィクターフェルドマンもウィントンもキャノンボールとの録音は珍しいので貴重な一枚です。また本作を最後に純粋なハードバップから離れソウルやファンキー、モード等に移っていくためビバップをするキャノンボールの集大成とも言えます。

キャノンボールアダレイ:アル

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Jimmy Smith. Midnight Special (1961)

Jimmy Smith. Midnight Special (1961)

ブルーノートというとモノトーンの落ち着いたオシャレなジャケットのイメージです。しかしこのアルバムはレタリングこそブルーノートっぽいけどカラフルなうえに写真もR&Bのアルバムみたい。初めて見た時違和感がすごかったです。今思うと初めて聴いたジャズギターはこのアルバムだった気もします。王道なソウルジャズですがそんな印象が今でもあって不思議なアルバムに思えて仕方ありません。

メンバー
ジミースミス:オル

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Lou Donaldson - Here ‘Tis(1961)

Lou Donaldson - Here ‘Tis(1961)

本作で初めてルーがオルガン奏者と共演しました。それがシカゴ出身のベイビーフェイスウィレット。彼はかなり期待が大きかったようでほぼ同じ時期に共に本作に参加したグラントグリーンに別のドラマーでセッションを行い、グラントのファーストリーダー作とウィレットのセカンドアルバム(これだけは62年)を作り、そこにテナーサックスを加えたセッションでウィレットの初リーダー作が作られました。結局ルーとウィレットの共演

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The marvelettes.  Please Mr. Postman (1961)

The marvelettes. Please Mr. Postman (1961)

今日からはモータウンのアルバムを60sのものを中心に紹介します。60sのモータウンのアルバムというとヒット曲が少しと穴埋め用のカバーと捨て曲みたいな言われ方もされますがそんな曲の中にも聴かないのはもったいない良曲があります。

一回目はマーヴェレッツのPlease Mr. Postman です。

Angel
モータウンというよりアトランティックっぽいラテン風のポップなR&B。

I want a

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