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Lou Donaldson- The Time Is Right(1960)

58年のブルースウォークから始まったコンガとピアノトリオをバックにした編成ですが本作ではここにさらにトランペットを加えています。しかもそれがブルーミッチェルとなればブルースを期待できます。ワンホーンでピアノがハーマンフォスターのブルースウォーク、ツーホーンでピアノがホレスパーランの本作で聴き比べたい一枚です。なおオリジナルは青色のブルーノートらしいいいデザインですがリバティからの再発時には目覚まし時計の文字盤がルーの顔写真というなんとも言えないけどオリジナルよりはダサいデザインで再販されたこともあります。このリバティは他にもいくつかのブルーノートらしいシンプルだけどインパクトのあるジャケットをダサい写真に変えてリリースしています。

メンバー
ルードナルドソン:アルトサックス
ブルーミッチェル:トランペット
ホレスパーラン:ピアノ
デイブベイリー:ドラム
レイモンジャクソン:ベース
レイバレット:コンガ

Lou’s Blues
コンガと明るいホーンがご機嫌なブルースナンバー。聴いていてとっても楽しいです。アドリブも明るく複雑すぎるフレーズはなくリラックスして聴けます。Quartet/Quintet/Sextetにも同じ曲がありますがそっちがのどかなブルースだったのに対してここでは少しファンキーになっています。

Be By Love
どこか哀愁あるホーンとポゴポゴなるコンガが印象的な曲。パーランのピアノソロは初めこそ端正ですが段々と訛りが見え隠れしてきます。

Idaho
アルトサックスの軽い音色が曲調にピッタリとはまっています。ソロパートも軽く、音色上どうしても重くなるベースソロもコンガとのディオにすることで重さを減らしているのが面白いです。

The Nearness Of You
イントロからテーマを吹くブルーミッチェルの少し掠れたトランペットが美しい曲。テーマを引き継ぐルーのサックスも負けないくらい美しいです。そしてまた掠れたトランペットに交代。ずっと聴いていられます。ブルーミッチェルはクリフォードブラウンやフレディハバードのような圧倒的な技術やマイルスのような強い存在感があるわけではないですが妙に印象に残り名前を見ると知らない人のアルバムでも聴いてみようかなと思う不思議な魅力のある演奏をします。

Mack The Knife
クルトワイルの曲でコンガ入りの編成にピッタリな明るいメロディの曲ですが歌詞は人殺しのマックが戻ってくる。いやもう戻ってきたのかも。次は誰が死ぬんだろうというかなり物騒な歌詞です。コンガとグルーヴィなベースがかっこいい上にホーンの2人はとても明るい音で吹いています。

Crosstown Shuffle
軽快なリズムが楽しいブルースナンバー。ホレスパーランの強いタッチのピアノもかっこいいです。

Tangerine
アドリブ多めの少しラフなメロディの曲。ただ難解なアドリブはないのでそこまで気を張らずに楽しく聴けます。いままでは一定のリズムで叩いていたレイバレットもここでは自由に叩いています。