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Lou Donaldson - Here ‘Tis(1961)

本作で初めてルーがオルガン奏者と共演しました。それがシカゴ出身のベイビーフェイスウィレット。彼はかなり期待が大きかったようでほぼ同じ時期に共に本作に参加したグラントグリーンに別のドラマーでセッションを行い、グラントのファーストリーダー作とウィレットのセカンドアルバム(これだけは62年)を作り、そこにテナーサックスを加えたセッションでウィレットの初リーダー作が作られました。結局ルーとウィレットの共演はこれ一枚で終わったもののルーはビッグジョンパットンやロニースミスといった若いオルガン奏者を迎えよりソウルフルになっていきます。ところでジャケットの白いシャツを来たおっちゃんは誰でしょうか?仲がいいクラブの従業員か行きつけの店の店員かお父さんかのどれかというのが予想ですが気になります。

メンバー
ルードナルドソン:アルトサックス
グラントグリーン:ギター
ベイビーフェイスウィレット:オルガン
デイブベイリー:ドラム

The Foggy Day
軽やかだけどソウルフルな一曲。明るいアルトサックス、伸びやかなギター、音数の少ないとつとつとしたオルガンが印象的です。

Here ‘Tis
長いオルガンソロから始まるルーズなブルースナンバー。ルーのサックスもメイシオパーカーのごとき音です。この緩く黄昏た曲ってずっと聴いていられる音だけどどれも似たように聴こえるんで細かく書くのがきついんです

Cool Blues
スウィンギーなブルースナンバー。オルガンのスウィングする音もグラントのご機嫌にスウィングするギターもかっこいいです。ドラム はリズムキープだけですがオルガンが相手の時は派手だったり重量級よりも軽い音色で手数少なめだけどリズム感覚がいい人の方が上手く噛み合う気がします。

Watusi Jump
アップテンポのスウィンギーな曲ですが少し引きずるようなフレーズのサックスが印象的です。タイトルにあるワツシとはこの頃流行ったダンスのスタイルのようです。ブーガルーといいシンガリンといいこれといいルーは流行りのダンスの名前をタイトルにつけて普通のブルーススタイルの曲をするのが好きなようです。

Walk Wid Me
マーチング風のドラムが印象的な濃いブルースナンバー。パーカッシブなバッキングに溶けそうなソロに大活躍するオルガンやブルースそのもののギターがかっこいいです。

ウィレットの初リーダー作。