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格闘技PPVと、大規模開発ゲームから、漫画のこれからを考える

『Number』9月号の記事、「[ABEMAプロデューサーが明かす]THE MATCH 50万PPVのウラ側」が読み応えありました。

格闘技のPPV(ペイ・パー・ビュー)の話なのですが、
私は自分の注力分野、漫画やキャラクターに引き寄せながら読みました。
すごく参考になることばかりです。

気になったところをピックアップしていきます。


・那須川天心vs武尊には、“戦う瞬間までアップデートされ続ける最新型の商品”に対する熱狂があった

・地上波による生中継が取りやめとなった時、改めて「この商品に自分が感情移入していることに気づいた方も多かったはず。
2人のストーリーを自分の人生の1ページに置いておきたいのかどうか
一種の通過儀礼だった。

・格闘技は対峙する2人だけを映すから、必然的に”寄り”の画になる。
スマホで動画を視聴する時代に、格闘技は合っている。

・これまでの日本の格闘技は焼畑農法みたい

・むやみにPPVのコンテンツを作り続けてもダメ。
無料放送でスターを作り、注目を集めることが大事。
より多くの方々に見てもらえる無料放送のコンテンツ作りが、これからのPPV戦略のポイント。


漫画雑誌や単行本、漫画アプリ、Webtoonなどにおいて、
PPVから学べることは数多くありそうです。


そして、漫画『サマータイムレンダ』7巻の作者あとがきは、
作品と関係ないゲームの話なのですが、
これもまた、漫画を考える上で、とても参考になりました。


・日本産のゲームは、ディレクター個人の作家性を楽しむことができるものが多い(多かった)

・ゲームを作ったスタジオや会社の名前と同様に、作った個人の名前も世界的に売れている

・ゲームが進化と共に大規模な開発になって、以前のような個人の作家性を前面に押し出したトガったゲームデザインで大作を作るのは困難だろうけど、僕が期待するのはそんなゲーム


ゲームに慣れ親しんでいる人からすると、どれも当たり前のことなのかもしれませんが、あまりゲームをしない私からすると、とても興味深い考察でした。

漫画もこれから、(ゲームほどではないにせよ)大規模な制作体制になって、
以前のような個人の作家性を前面に押し出したトガった作品は減っていくと思います。


編集者としては、その変化もまた、とても面白く、
挑戦しがいがあるな!と感じています。

一方で、漫画読者としての僕が読みたいのは、やっぱり
漫画を通して、作者の想いが伝わってくるような作品です。


PPVもゲームも、漫画も、キャラクターも、
これからどう変化していくのか、
考えるのも楽しいし、
それを実践に移していくのはもっと楽しい。

身の回り、ありとあらゆるものにヒントは転がっていますね。

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