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海外旅行もしなかった私がカナダでデザイナーとして働くまで

人生で海外旅行に行ったことはほとんどなく、行ったことのある国は高校生のときに修学旅行で行った中国くらい。そんな私がカナダ・バンクーバーに拠点を移し、現地のソフトウェア開発企業でUI/UXデザイナーとして働くようになるまでの話をしたいと思います。


海外に興味を持つようになったきっかけ

我が家では、小学校に入学すると好きな習い事を始めれるというルールがあり、兄は柔道、姉はエレクトーンを習っていました。姉のようにエレクトーンを弾けるようになりたいと思っていたけれど、姉から一緒に習うのは嫌だと拒否され、私は「英会話」を習い始めました。これがきっかけとなり海外に興味を持ち始め、英語を話せるようになりたいと思うようになりました。

高校では私立の国際コースに入学しましたが、英語という名のつく教科が5〜6種類あって文法や英単語漬け。英語が好きで進んだ道だったけれど、徐々に目的を見失っていたと思います。でも、3年間クラス替えのないクラスだったのでクラスの結束力は強く、同級生は変わり者が多くて本当に充実した学生生活でした。

外語大へ進学する子、海外に留学する子、翻訳やフライトアテンダントなど英語の道に進む同級生が多い中、私はデザインへシフトチェンジし造形大学で2年間グラフィックデザインを学びました。

未経験からWebデザイナーになる

大学卒業後はデザイン関係の仕事には就かずサービス業で働いていましたが、やっぱりデザインの仕事がしたいと決意し、未経験からWebデザイナーとして働き始めました。

主にコーポレートサイトのデザインを担当していましたが、ロゴ制作や名刺など紙媒体の案件もありました。クライアントとの打ち合わせ、ディレクション、スケジュール管理、コーディング、カメラ撮影など、デザイン以外の業務も担当していました。従業員の多くない会社だったからこそ、マルチにいろんなことを経験できたのは本当に良かったと思います。

デザインと英語

デザイナーとして働き始めて2年ほど経ち、少しずつ自分のデザインに自信がつき始めた頃、ふと「今ならデザインと英語両方を生かせることができるんじゃないか」と思いました。ワーキングホリデーで海外へ行く友人に憧れはあっても、1年後に帰ってきた後はどうするの?海外に1年住んで何ができるようになるの?と現実を見て一歩踏み出せずにいました。

ワーキングホリデーや海外移住のことを真剣に考え始め、出発を1年半後に決めて準備を始めました。トロントにワーホリに行った友人からニューヨークが近かったから遊びに行ったことを聞き、私も行くならアメリカの近くがいい。でも寒いのは嫌だから、バンクーバーにしよう。バンクーバーならクリエーターをサポートしてくれる日本人のエージェントもある。そんな理由でバンクーバーを選んだのを覚えています。

バンクーバーに何か思い入れがあった訳でもなく、バンクーバーがどんな街かということも知らず、結局出発の2週間くらい前に旅のムック本を買ってやって来ました。

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バンクーバーに着いて2日後くらいに街をブラブラ

厳しい就職活動、そして採用へ

高校生までは英語漬けの日々だったとはいえ、使わなくなるとすぐ忘れてしまうものです。最初の6ヶ月は語学学校に通い英語の勉強に集中しました。語学学校を卒業後、本格的に就職活動を始めましたが、日本と北米での就活の違いを痛感します。求人応募しても返信がないのは当たり前。直接会って面接する前には大抵電話面接やビデオ面接があり、採用に至るまでに企業によっては4〜5回面接することがあります。採用プロセスには技術テストがある場合もあり、デザインを作成し提案するなど企業によって様々です。

語学学校に通っているときから日本からお仕事をいただきフリーランスで働いていましたが、就職活動を始めて3ヶ月後に現地の会社とフリーランス契約。そしてさらに3ヶ月後に、現在所属しているConvergenceへの採用が決まり、UI/UXデザイナーとして働き始めます。結果として、安定した仕事に出会うまで6ヶ月はかかったと思います。

入社のきっかけは、デザイン系のMeetupで知り合ったデザイナーからオフィスを移転したから遊びに来ない?と誘われたところからでした。会社は日本への事業展開に興味があり経験のあるデザイナーを探していたところで、ちょうどその条件にピッタリ合った私が採用されました。

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会社オフィスが入ってるビル

北米ではよくある話ですが、社員からの紹介や知り合いのコネで仕事が見つかることがあります。キャリアアップの話もこのパターンが多いと思います。採用には人脈が重要とよく聞きますが、バンクーバーのIT業界は狭いので気をつけるべきこともあります。履歴書の際にしっかりとバックグラウンドチェックがあり、前職での仕事の取り組みなど採用担当者が企業に連絡をし確認する場合もあります。

採用はゴールじゃなく、次へのはじまり

まだまだ英語の拙い私が現地で就職できたのは、やはりデザイナーとしての経験が合ったからだと思います。就職活動をしていた頃は、採用がゴールになっていましたが、今改めて実際に働き始めてからの方がさらに難しいと感じます。

デザイナーはクライアントとの距離が近いので、言語の壁を感じることばかりです。クライアントのほとんどは現地の人もしくは英語ネイティブなので、ミーティングでは英語の速さについていくのが精一杯。メールでのやり取りも多く、ビジネス英語は語学学校では習っていないため、実践で慣れていく毎日です。私は有難いことに素晴らしいチームに恵まれ、私の足りない英語をサポートしてくれる、そして私の英語を受け入れてくれるメンバーに感謝しています。

noteを始めようと思ったわけ

日本にいた時よりもバンクーバーに来てからの方がデザインに関する記事を読むことが増え、アウトプットの重要性を感じるようになりました。私にとってはなんでもない毎日でも、他人からしたらそうではないのかもしれない。

未経験からデザイナーを目指し専門学校に通って就職を目指す人に何人か出会ったけれど、やはりその道は険しいのが現実。私の体験談が誰かの励みになったり、役に立つといいなと思い書き始めました。

私はアウトプットすることでインプットすることができる。海外での経験、働き方やデザインに関することなど、これからアウトプットしていきたいと思います。

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