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あらすじ 母の、「あなたが笑っていてくれればそれだけでいい」という口癖を嫌う少女、こ…
甘い果実かじる。なまめかしい液体。これに交じって溶けられたら一体どれほど気持ちが良いだ…
他人の日記を書いた。そうすれば私も少しは人生を送っているような気になれた。毎日書き続け…
例え一生懸命書いたとしても私の書いた文章は、私は、呆気なく消費される。いや、それならま…
忘れないために歌っていたあなたは、歌うことに必死ですべて忘れてしまったようだ。忘れるた…
「夜に部屋を暗くするのは怖い。だってそのままブラックホールに飲み込まれて帰れなくなっ…
他人に期待なんてしても仕方がない。もうずっと前からそんなこと知っているのに、それなのにたまに何かを求めてしまう。だがそれも咎められるようなことではない。別に見返りが欲しいとかそんな傲慢なことは言っていない。ただ求めるにも足らないようなペラペラの期待さえも裏切り続ける奴らは一体、私を何だと思っているのだろう。 感情の動きなんて、時間を浪費するだけで価値のないクソゲーだ。同じ回路を山手線みたいに、ぐるぐるぐるぐるしているところも、すぐにバグってしまうところも。現代化が進んで
触れたい絵なんて描けない、聴きたい音だって紡げない。だけど私にはここがある。だから、あ…
あなたに見つけられないくらいなら私は死んだほうがマシだ。深い海の底、黒い渦に飲み込まれ…
好きだったはずの音楽にもバカにされた。お陰で息をするのが苦しくなってなんのために生きて…
「次の方どうぞ」 何度も聞いたフレーズにまた覚悟を決める。いつも通り返事をして扉を開け…
賛美歌が聞こえた。夜空を覗き込むと、人間たちは歌い踊り狂っている。一体なんの騒ぎだろう…
大きな声で叫ぶのが愛なら、この誰にも言いたくない思いはなんなのかしら。胸が張り裂けても…
目が合って分かり合えて感動した夜も過ぎ去って当たり前になるといつか忘れて消えてしまう。忘れないために突きはなして封じ込めようと思ったけれど、どうもままならなかった。それならいつか忘れてもいいから、それまでは大切にしておこう。そう思った。春の風を忘れるのは秋の風と出会うからだ。だれかと出会ったからあなたを忘れるなんてことは決してなくて、あなたと過ごした1月を忘れる理由はあなたと過ごした11月だった。 あなたはいつもあなたを演じていた。そんなところも好きだった。私はいつも私