ここにあらず

 好きだったはずの音楽にもバカにされた。お陰で息をするのが苦しくなってなんのために生きているのかわからなくなった。ただ自分が可愛くて堪らなくて生きていた。それでよかったのに、いつの間にか何かを好きになって縋ってしまうから、私に意味なんてないことも忘れてしまっていた。だから意味を求めてしまった。後にも先にも転がるしかないのに。

 嫌いだった大人に猫を撫でるみたいに話しかけられる。気持ち悪くて気色悪くて気味だって存分に悪い。なんとか体裁を保って繋ぎ止めようとするだけの不利益な彼ら。そんなものにしれた金で振り回されて肌も荒んで心なんてもんは最初からなくて、続けるべき生活は煮詰まって食えたもんじゃない。泣こうにもこんな寒空の下、涙も家に帰りたいみたい。

家に帰るまでが。って、嫌なことにも当てはまるのかしら。ああいやそういえば私別に、遠足だって好きなんかじゃあなかった。大嫌いな、あの独特の臭いを発する給食を食べなくていいだけで、虫が邪魔な1日だった。ただの1日だった。どの日にも確実に、ただなんて言わせないほどには、価値があるべきだったのに。今だってそうだよ。

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