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#53|「変わる勇気には覚悟が必要」か…、さてどうする。

歩きたい、と思った。
衝動的に”とにかく歩きたい”と思った。

薄い上着と念のためにストール、あとはスマホと財布だけ持って外に出る。


あ。風が強い。
風が強い日は好きじゃない。顔にかかる髪が鬱陶しいから。自然現象にすらイラっとしながら、歩き始める。


悩みがあると、視線が自然と下がるのはなぜだろう。さっきから自分の影しか見ていない、こんなに良いお天気なのに。


信号2つ先にスタバ。コーヒーでも買おう。


ポケットに無造作に突っ込んできたマスクは、新品特有のケミカルなにおいが鼻についた。


「こんにちは!」店先で掃除をしていた元気な店員さんに微笑みかけられ我に返る。

スタバの扉がちょっと重めなのがありがたい。開けようと力を入れる時に、気持ちを切り替えられるから。

スタバに入るのに仮面が必要な日がある。「よそゆきの顔」という名前の仮面だ。気持ちが落ちている時は、この仮面がないと注文できない。店員さんの健全なエネルギーに気後れしてしまうから。


トールのカフェアメリカ―ノ&ミルクビスケット、いつもの組み合わせ。紙カップからコーヒーの熱さが指に伝わる。


もう少し、歩こうか。

「人はなぜ生きなければいけないんだろう」
そんな若い言葉が頭をよぎる。

「幸せってなんだろう」
「どうして私はここにいるんだろう」

何も考えたくなくて歩き始めたはずなのに、結局考えてしまう。しかも考えるほど鬱々としそうなテーマを。


冬が遠くないことを感じさせる御空色。雲の流れが速い。
何も考えず、雲と一緒に流されていけたら、どんなに楽だろうな、なんて。


”本でも読もうか”

ふと脳内タイムラインにワードが浮かんだ。自分で「いいね」をし、書店に向かう。ここかなら、ゆっくり歩いても10分の距離だ。ちょうどいい。

昔から「人と同じ」は嫌いだった。流行りものにも興味がなかった。自分の価値観は周りとは違うんだ、そんなへっぽこなこだわりだった。いまも変わらないその価値観。「鬼滅の刃」も興味がない。ベストセラーの平積みコーナーは、いつも素通り。


だから今日、超ベストセラーを買ったのは、本当に珍しい。やっと読んだか、と言われそうなほどのベストセラーだ。


ほど近い小さな公園のあずまやで、すっかり冷めたアメリカ―ノを片手に読み始める。風が冷たくなってきた。ストールを持って出た自分、偉い。

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300ページほどの本を一気に読破。
いや、とりあえず最後まで一通りは文字を追った、が正しいか。これは一度で理解するのは難しい。

難しいけれど、悩みに解を与えてくれた。
「悩みに向き合い、解決すべく行動する」以外の選択肢を閉じられた、ともいえる。


なるほど、ベストセラーにはベストセラーたるだけの何かがある。

解決はできる。全て自分次第。
解決するぞと決める勇気。それがあれば、ことは進みそうだ。問題は、「解決する勇気」を持つ覚悟ができるか、だけれど。


芝生広場からキャッチボールに興じる親子の笑い声が聞こえる。子供は10歳くらいだろう。

自我を持ち、一生の価値観の基盤ができ、自分で選択するということを始める10歳。あれから私は、どんな選択を重ねて今に至るんだろう。どこから物事を難しく考え、こんなに面倒くさい性格になってしまったんだろう。


シンプルが好きなはずなのに。

複雑に凝り固まった自分のものの見方が悩みをつくりだしている。ちょっと、恨めしくなる。


難しい本だった。
理解するのにも、さらに実践にもかなり時間はかかるだろう。

ただ、今の悩みを抱えたまま生きていっても、明るい未来は望めないことだけは確実だ。何かしら解決しないと、面白くならない。


人はいつからでも変われる、という。決心すれば。


やってみよう。変わろうとしてみよう。自分を変えよう。

もっとシンプルに。
自分の人生を主体的に。


本当に”あと10年、いや5年でいいから早く知りたかった”と思う。
でもきっと”今の私だから響いた”んだろう。今が必然の出会いだったんだろう。


いま、ここを生きる。

生き方への挑戦を始めよう。


一緒に楽しみながら高め合える方と沢山繋がりたいと思っています!もしよろしければ感想をコメントしていただけると、とっても嬉しいです。それだけで十分です!コメントには必ずお返事します。