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Global Business Trend vol.6 | ファッションのリモート化は流行るか?

日本はついに外出制限が全国で解かれ、外に出かけられるように。それでも、人混みの中で買い物をしたり、他人と近距離で食事をするのには少しまだ抵抗がある。そんな中、Maison Marcheという会社が自宅でショッピングをできるサービスを始めたと言うニュースをVogueで読んだ。Maison Marcheのサイトを利用すると、セレクトしたデザイナーの服を持ったスタッフが家を訪問してくれ、リビングでPop Upショップを開くような体験ができる。これを見て、自分の曽祖父母が、自宅に着物屋さんを呼んで買い物をしていた話を思い出した。「流行は繰り返す」と言うが、買い物の手法も一種のサイクルになっているのだろうか。(image: The Yes, Fast Company)

増えていく、ファッションの新しい楽しみ方

Tres Bien と言うブランドは、zoomでのウィンドウショッピングサービスを開始し、家にいながらショップで服を見ることを可能にした。ストアスタッフが画面越しに対応するので、本来のウィンドウショッピングよりもお客さんとちょっとした世間話をする時間が増えたらしい。

世界中が大きなイベントを中止する中、ランウェイのトレンドを見直す声も多数出てきた。ベルギーのデザイナーDries Van Noten を筆頭に、ファッション業界を見直そうとする署名活動も始まり、困難な時代の中、変革を余儀なくされている。GucciとSaint Laurentは、今までのプレコレクションを含む年に4回あったファッションショーを2回にすると発表。大人気ゲーム「あつまれ どうぶつの森」の中では、ハイファッションが取り入れられ、先日ベルリンのファッション団体であるReference Festivalが主体となり、初めての「あつまれ どうぶつの森」ランウェイショーが開催された。Vogueもあつ森の動向には注目している。

Forever 21が去年破産したのが記憶に新しいが、この流れでとにかくトレンドを一早く取り入れ、速いペースで消費するファストファッションの流れも終わりに近づいているのかもしれない。

百貨店もアプリに?

昨年の暮れに閉店したBarneys New Yorkを筆頭に、アメリカでは大手百貨店であるNeiman Marcus、JC Pennyが破産。百貨店の不調が続く中、スタイリングサブスクサービスで一斉を風靡したスタートアップ、Stitch Fix元COOジュリー・ボーンステインが、「The Yes」アプリを先週ローンチ。The Yesは、「百貨店のe-commerce版」と言うポジショニングで、デパートの売り場を歩いているような感覚で、スマホから服を買うことができるサービスを目指している。フィードにあらゆるスタイルのアイテムが現れ、好みに合わせて"Yes" ”No"を選択していくと、AIが好みを学習し、好きそうなアイテムをフィードに出してくれる仕組み。値段設定も幅が広く、DTCで展開しているブランドやZaraなどカジュアルブランド、そしてGucciやBalenciagaのようなハイファッションレーベルも多く取り扱っている。また、売り上げの一部は経済的に困窮している家族を支援する団体に寄付されることになり、ソーシャルコンシャスな消費者への訴求もばっちりだ。

近年、ReformationEverlaneCuyanaなど、百貨店に出店していないDTCのファッションブランドの成功を見ると、アプリ上でトラディショナルなブランドから新しいブランドも全部一括で検索でき、そのまま購入できるのはすごく画期的だ。また、SpotifyやNetflixが我々の好みを熟知して、どんどんオススメを出してくれているように、ファッションも自分の好みなスタイルをオススメしてくれるようになったら、買い物がもっと楽しく、楽になるかもしれない。個人的には、自分で素材を手に取って服や靴、バッグを吟味したり、予想外なお店で「掘り出し物」を見つけたりするのが好きなので、百貨店に足を運んで買い物をするのが今でも楽しい。今後このようなアプリが流行るかは、注目したい。

おまけ:The Yesアプリをダウンロードしてみた

まずはFacebook連動でログイン(電話番号を利用することも可能だが、日本にいると使用できないかもしれない)。ひたすら自分が好きなスタイルを、アプリが提案してくる服や靴の画像に対して"Yes"か”No"か答えながら選択していく。デーティングアプリのような感覚で、色んなアイテムをスワイプ。好きそうな物を出してくるので、これは結構ハマりそう。クイズ形式でさらに自分の好みをアプリが学ぼうとするので、ゲーム感覚で思わず楽しめた。友達を招待すると、その人の好みや、何を選んでるかもわかるので、ソーシャル要素もあり、面白いかもしれない。



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