綾瀬さんと真谷くん57「プレゼント」

響の誕生日まであと数日だ。プレゼントをあげたいけどどういうのが良いのかな?アクセサリーとか喜ぶかな?誰かに相談したいけどうーん……
悩んでいると誰かに声をかけられた。
「真谷くんどうしたんですか?」
目線を声がした方に向けると井崎さんが立っていた。
「おぉ井崎か。実はもうすぐ響の誕生日で、プレゼントを一緒に選んで欲しいんだけど……」
「それなら私がよく行くアクセサリーショップを教えますのでそこで買ってきたらどうかな?」
「ありがとう。そうしてみるよ」
「お役に立てて嬉しいです!」

-週末-
「井崎さんおススメのアクセサリーショップに来てみたはいいものの、一人で入るのには勇気がいるな……」
迷ってても仕方ない。腹をくくって入店するとしよう。
事前にプレゼントはどういうものが喜ばれるか調べてみた。
『彼女へのプレゼントはネックレスがおススメ!』
とあった。他にも『ネックレスのモチーフはかわいらしいハートがおススメ!』とあった。
参考程度に記憶しておこう。
覚悟は決まったのでいざ入店としよう。
店内へ入ると、男性一人が入るには少し勇気が要りそうな内装だった。
それとちらちらと刺さる視線が少し痛い。
「彼女へのプレゼント買いに来たのかな?」
「子鹿のようにプルプルしててなんか可愛い」
待て待て。可愛いってなんだよ。
とりあえずお目当てのもの探さねば。
辺りを見回すが分かりにくいな。
くまなく歩けば見つかるだろう。
見回しながら探しているとまた声が聞こえた。
「子リスみたいにキョロキョロしてるのも可愛い」
だから可愛いってなんだよ。
僕は可愛くないぞ。
オマケに店員さんからも温かい目をされた。
なんてこったい。 
とにかく早く見つけて選ばねば。
「いらっしゃいませ!なにかお困りですか?」
悩んでいると近くに店員さんが来た。
「えと、彼女へのブレゼントを選んでいるんですがなかなか決まらなくて」
「そうなのですね。私がおすすめするのはこのしずくがモチーフのネックレスとかどうでしょう?」
なるほど。こういうのなら落ち着いた感じで似合うと思うな。でも響は(ピアス以外の)アクセサリーどんなものをつけても似合うし……
イメージしよう。

-数分後-

「お客様どうですか?お決まりになられたでしょうか?」
考えてる間にハートのモチーフのネックレスとかをおすすめされた。
「このしずくのモチーフのものは誕生石をつけることも出来ますがどうされますか?」
「しずくのネックレスでお願いします」
「誕生石はどうされますか?」
「ブルー・アンバーでお願いします」
「かしこまりましたそれでは少々お待ちください」
よしこれで誕生日プレゼントは決まったな。
響喜んでくれるかなぁ。
10分くらい待つと箱と小さめの紙袋を手にした店員さんがやってきた。
「おまたせしましたネックレスはこの箱の中にありますので袋に入れておきますね」
「ありがとうございます」
会計を済ませ、店を出る。
響の誕生日が待ち遠しいなぁ。

-誕生日当日-
ネックレスが入った箱をブレザーのポケットに入れ、響を待つ。
しばらく待つと響がやってきた。
「優?私に渡したい物があるって言ってましたけどなんでしょうか?」
ポケットから箱を取りだし響に見せる。
「開けてみて」
響が箱を開けると目を輝かせて
「これ優が選んだのですか?」
「うん」
「ありがとうございます!私このブランドのネックレスを前から欲しいと思ってたのですが、なかなか機会がなくて買えなかったんです」
「そうなんだ」
響がなにか思いついた顔をした。
「そうだ優このネックレス私につけてくれませんか?」
「うん、良いよ」
箱からネックレスを取り、留め金を外して響につける。
「つけたよ鏡で確認してみて」
響がポケットから手鏡を取り出し確認する。
「このネックレスずっと大事にするね!ありがとう優!」
うぐっ。いきなりのため口は僕に効く。
響は普段敬語で話してるからこのギャップに毎回やられてる。
「どうしました?優?」
「い、いや大丈夫だよ」
僕の彼女は全くもってかわいい。

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