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綾瀬さんと真谷くん

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シリーズ「綾瀬さんと真谷くん」を読みやすくまとめたもの。この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。 2020年12月21日…
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#打ち上げ

綾瀬さんと真谷くん1「綾瀬さんと僕」

僕には好きな人がいる。今日も麗しい綾瀬響さんだ。さらりとした長い髪の毛が陽光を反射して青みがかって、まるで物語のお姫様のように艶めく。その髪を耳にかければきらりときらめく華奢なイヤーカフ。校則が緩いから邪魔にならなければアクセサリーを身につけてもOKで正解だ。可愛らしさが際立っている。
 何も見た目だけじゃない。中身だって素晴らしい。学級委員長を務められる誠実な人柄、そして誰に対しても優しく接する

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綾瀬さんと真谷くん22「打ち上げ」

体育祭が終わったあとの休日、クラスで予定の合う人だけで近くの居酒屋へ行った。僕はカウンター席で注文した唐揚げを食べていた。そこへクラスメイトの男子がやってきた。
「なぁ真谷〜」
「なんだ?」
「綾瀬さんと付き合ってるってホント?」
あぁ……面倒だ。適当にあしらうか。
「あー、そうだけど何か?」
「いつから付き合ってたの?」
「そんなの聞いてどうするんだよ」
なんで知りたいんだよそんなこと。
「いい

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綾瀬さんと真谷くん31「文化祭の打ち上げ」

文化祭も無事に終わり、予定が合う人たちで友達の親が経営している居酒屋で打ち上げ会をすることになった。僕はカウンター席でだし巻きを食べていた。そこへクラスメイトの男子がやってきた。
「なぁ真谷~」
「なんだ?」
「文化祭の店番の時、なんであんなに女子の視線が多かったんだ?」
「それは僕にも分からない」
「なんだよそれ」
笑いながらそう言われたけど実際になぜ視線が多かったかは分からない。
その後も同じ

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