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今日はすごく久々に、美容に寄ったことをはじめに書こうと思います。

日本の化粧品マーケティングでは、日本ならではの季節に沿った戦略が多く、UVケア(紫外線から起こる肌ダメージを防ぐ効果のあるケアをすること)は5月~10月が基本でした。化粧品はだいたい春と秋に大きな新商品展開があり(春夏用・秋冬用などの需要のため)、カラーものが先に出た後に、ファンデーション、スキンケアと進んでいきます。一般的なスキンケアが終わった後にはいよいよUVケア製品が出てくるわけですが、5月から紫外線量が増加するため、企業のマーケ、雑誌特集もUV特集が多くなります。
特に日本をはじめとするアジアでは、民族的に「美白」を求める傾向が高く、美白スキンケアももちろんですが(もはや美白は定着しすぎて、昔から美白は一年中のトレンドになっています)、美白を叶えるベースとしてUVケア製品も一年中求められます。欧米ではもちろんUVケア製品を使用しないということはないけれど、一部地域的なことを除き、どちらかというと自然に任せたりすることが多いでしょう。日本などアジアでは、人種的に白人などへのあこがれというところから、白さを求め、白さを維持するためにUVケアを行うといったことがあります。(今では、人種的なあこがれというのは昔ほどないかと思いますが。)
また、UVケア製品単体でなくても、SPFやPAなどUV効果を持たせたファンデーションや下地、コンシーラーなどが一般的になりました。夏やレジャーなどはSPFなどが高めのもの、日常ならこれくらい、紫外線が比較的少ない冬場はこれくらいなど決まってきます(日本国内を基準とする)。

ここまでは化粧品業界の常識。しかしその常識は、気候変動により変わるのはないかと予測しています。
紫外線と関連している環境問題は一時期フロンガスによるオゾン層破壊があり、強い紫外線がオーストラリアなどの地域に降り注ぎ人体に影響がでるなどの問題がありました。でもそれは昔の話。実はオゾン層は、フロンガスの撤廃などによって回復しているんだそうです。
それよりも、危機的状況なのが、やはり温室効果ガスによる気候変動です。
気候変動によって、日照りや高温が続くこと、またいまいまのように3月なのにもう4月5月のような気候なので、いわゆるこれまでの化粧品の季節性常識が”季節では読めなく”なってくるということが言えます。UVケア製品が市場に出だす、まさにいまの3月ごろなどから、今後はUVケアが当たり前になってくるのではないでしょうか。

こうなると、今後UVケア製品への需要がさらに高くなることが予想されますが、これ以前に、一部のUVケア製品が海洋汚染や海の生物多様性を脅かしているというのがあり、COP27のときに議論されていました。JSCFの協議会やオンラインサロン、2月のセミナーイベントなどでもすでに話していますが、自分に良いものだけでなく、地球環境にやさしいものが求められますね。


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