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枯れ尾花にも毒がある

怪談が好きです。

昨今はYOUTUBEなどの影響か、実話怪談が非常に流行しているという印象ですが、大変に喜ばしい。私は自分でも「怖い話を集めたら」(集英社文庫)という創作怪談の本を出版したりもしておりますが、とにかく、子供の頃からめちゃくちゃ怪談が好きでした。

というのも、私が幼い頃は世紀末を迎えて空前のオカルトブーム。ノストラダムスの大予言やら、スプーン曲げやら、ツチノコ、ネッシー、グレイにキャトルミューティレーション、新倉イワオ、冝保愛子に矢追純一と心霊カルトUMAUFOなどなどがお茶の間に浸食し入り乱れたカオスな時代だったのです。

オカルト雑誌や心霊漫画誌も多数ありました。
マイバースデー、おまじないコミック、月刊ハロウィン、ほんとにあった怖い話(現HONKOWA)などなど。こちらは後続のホラーM、眠れぬ夜の奇妙な話(現ネムキ)などに続いていくわけですが、もう毎月よりどりみどりの状態で、少女の私は本屋さんの店頭で立ち読みをしまくったものでした(当時は雑誌の立ち読み禁止に今ほどうるさくなかった)。


その中でも特に「怪談」というジャンル、主に心霊現象に特化した分野に心惹かれた理由としては、それが、人間の本質や業に関わることだからでしょうか。

怪談の世界の幽霊というのは大抵、なにがしかの恨みや訴えを持っているものです。そしてそれは呪いになり、祟りになります。もはや因果関係に全く関係のない人物がその要因(土地、物品、関係者など)に触れただけで禍事に巻き込まれてゆく、その理不尽さがなんとも恐ろしいわけです。

原因を探り当てて人間関係の妙が解き明かされてゆくもよし、何も分からぬまま通り魔のような現象と謎だけが残るもよし。
ああ、なんて興味深い怪談の世界。
つまり怪談とは、人の心と謎を紐解いてゆく物語なのです。


とまあそんなわけで怖い話大好き、怪談大好きな私ですが、実際に幽霊を見たことはありません。いわゆる零感というやつです。
興味はあるけど本当に怖い目に遭うのは嫌なのでこのままで良いかな~と思っているわけですが、いくつか、不可思議な出来事に遭遇しておりまして、その辺はまた別のマガジンにて発表していったりしようかな、と思っています。



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