キャリアのロールモデルをもちたいけれど。
先日、株式会社Your Patronum代表取締役の森数 美保さんをインタビューさせていただいたことをきっかけに考えたことを、つらつらと書いて残しておきたいと思う。(インタビュー記事は後日お楽しみに!)
わたしにはこれまで、キャリアのロールモデルとなる人物が不在だった。ずっとそんな存在を求めていたものの「こんなふうになりたい」という人には出会うことができず、過去にはむしろ「こうはなりたくない」という人に出会うことが多かった。女性としても、働く大人としても。
そのような中で今回、美保さんをインタビューさせていただくことになった。美保さんとは以前からSNSでは繋がっていて、その聡明さと時折見せる可愛らしさからずっと気になっていた存在だった。
女性として、働くひとりの人間として、美保さんのマインドをもっと深掘りして聞いてみたい!それならば、その内容をいろんな方に知ってもらえるように自分で記事を書いちゃえ!と思い取材を申し込んだところ、快諾してくださったのだ。
これまでわたしが美保さんに抱いていたイメージはまさに「バリキャリ」で、外側から見るとめちゃくちゃ「陽」な方、色で例えるならヘルシーで明るいオレンジ色の雰囲気を纏った魅力的な方だなぁと思っていた。
一方で、美保さんが発信する内容を見ているとイメージからは意外に内向的な面をもっており、人生をぐんぐん進めている内側には、積極的な気持ち以上に不安な気持ちを抱えているようだった。
他者からのイメージと実際の自分にギャップがあることや、内向的な気質、物事に対する考え方などがものすごく共感できて、子育てをしながら働く美保さんとわたしはライフスタイルこそ異なるものの、どこか自分とリンクするものを強く感じたのである。
そして今回インタビューをしながら美保さんのことをさらに知ることができて「自分のロールモデルが見つかったかもしれない」と、ふと思ったのであった。
◇
これまでのわたしは働くことに対して消極的で「キャリア」という言葉にどこか「大人として計画的にちゃんと生きなさい!」という強迫観念を感じており、正直苦手な言葉だった。
これまでキャリアなんてものをしっかり設計したことがなく、戦略もなかった。そもそも仕事の選択肢が少ない地方に住み、高卒で働き始めたわたしは、新しい職場を選ぶ基準はいつでも「高卒でも雇ってもらえるところ」が最優先事項であったし、多くの中から仕事を選べる立場では到底なかった。
そのとき置かれた環境でやれることを全力でやり、その中で見つけてきた苦手なことや、できるけどやりたくないこと、自分の人生でやる必要はないと感じたことなどを潰してきた結果、流れ着いて今ここにいる。
「やりたいこと」を積極的に選んできたというより、「やりたくないこと以外」を消極的に選んできたと思う。
現在はフリーとして働いていることもあってか、最近恐れ多くも「Miyuさんのようにやりたいことをやって生きたい」とか「Miyuさんのようになりたい」と年下の方に言っていただくことが増えたのだが、外側から見たイメージと実際には大きなギャップがあると感じる。
正直わたしは職業については「やりたいこと」「なりたかったもの」をやっているわけではない。やりたいことやなりたかったものは、本当はまた別にあった。現在は、過去の経験で知った「やりたくないこと」を潰した結果、たまたま残った「これならやれるかも」ということを自分なりに一生懸命やっているだけである。
そして今も「やりたいこと」は正直そんなにもっておらず、今抱えている「やりたくないこと」を手放すためにはどうすればいいかを常に考え続けている。わたしの理想の状態は、やりたいことをガンガンやるより、やりたくないことがまったくない穏やかな状態なんだろうと思う。
◇
そんな考えに改めてたどり着いたわたしは、美保さんのインタビューを通じてひとつ気づいたことがある。
それは、ロールモデルはやりたい「コト」よりも、理想とする「在り方」が似ており、且つ「気質」が自分と似ている人を選ぶといいのかもしれないということだ。
たとえ憧れの人とやりたいことが同じだったとしても、気質やエネルギーの方向性がその人と異なれば、ゴールに向かうまでの最適なプロセスは異なるはずだ。外向的な人のスタイルを内向的な人が真似するのはしんどい。
気質が違う人のスタイルをまんま真似をして挫折したとすると、それはプロセスが合っていなかっただけなのに「コト」が自分に適性がなかったのだと勘違いしてしまう。そうなってしまうのは非常にもったいないことだ。
だから、自分に合ったロールモデルを見つけるにはまず自分の理想とする在り方や、自分の気質について自己理解を深めることが大切であると思う。
自分に似合うメイクを見つけるには、自分に似た顔立ちや雰囲気の人を見つけたほうがいいのと同じだ。それにはまず自分の顔の特徴を理解しないことには、似た顔立ちの人を見つけることはできない。
キャリアや生き方のロールモデルが欲しい。
そう考えている人は、改めて「今ある自分」についてよく知ることからまず始めてみてはいかがだろうか。
キャリアについてお悩みの方は、美保さんの伴走型コーチプログラム「キャリパト」もぜひ覗いてみてほしい。
美保さんとお話ししていると「こんなわたしでも大丈夫かも、やれることがあるかも」という気持ちが自然と湧き上がってきて、本当に素敵な体験だった。わたしもそんなふうに人に勇気を与えられる女性でありたい。
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