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マクロビアン薬剤師 薬剤師・毒島花織の名推理

マクロビアン薬剤師 薬剤師・毒島花織の名推理

認知症健康サポーター。マクロビアン。
現役薬剤師のみゆきです。
認知症の母が施設に入って7年目になりました。

薬剤師としてのキャリア30年を超えてから、
大手チェーン薬局のラウンダー(応援専任職)として、働いています。

今日は、先日読んだ薬剤師ものの本について。

『薬も過ぎれば毒となる』
『甲の薬は乙の毒』
塔山 郁 著

副題に
『薬剤師・毒島花織の名推理』

とあります。

名推理とありますが、サスペンス小説ということではなく、
お薬にまつわる、出来事を、薬剤師がその薬剤師ゆえの知識によって解決していくという
短編が、4本ずつ描かれています。

いずれも、
お話の主役は『薬』であり、
薬とは、その人によっては健康を維持し、または健康を取り戻すために役立つものであっても、
相手が変わり、間違った使い方をすれば『毒』になるということを、とてもわかりやすく描いています。

薬剤師であれば
『ある、ある』
と思わず頷いて、ニヤリとするシーンやセリフ、
そして、薬のネーミング。

実在するお薬をちょっとだけ変えて、登場させていました。

この小説を読んで、自分がなぜ薬剤師を選んだのか、
また、いわゆる推理小説が好きな理由が分かり、
また一つ、視界が開けた気がします。

薬剤師の人は、わたしもそうですが、表面上は口を合わせたとしても裏では、
自分が納得するまで、話のピースを組み立てて、ピッタリと当てはまる答えを求めています。

もちろんその導き出す答えというのは、同じ『薬』に関することであっても、
薬が投与される人間が変われば、変わってくるのが常です。

わたくしたち薬剤師は、その答えを常に考えて求めているのかもしれません。

小説のなかに登場する主役の『毒島さん』は、とても理路整然と薬の説明をしますが、
それは確固たる知識があり、そこから導かれるのが、理想を追い求めているから、
というのが読み取れます。

完璧すぎない人間像にも共感が持てます。

薬剤師の方はもちろん、お薬を飲んだことが一度でもある方、
健康に自信のある方にも読んでいただきたい小説です。

それにしても、名探偵コナン(これは漫画ですが)
作家さんの登場人物の名前の付け方には唸らされています。

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