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嫌いになったから離婚する訳じゃない。大豆田とわ子と三人の元夫


最終回を目前に控えた
大豆田とわ子と三人の元夫。
第9話も最高だった。

仕事とプライベート、オンオフ完全切り替え型の小鳥遊さんとのseason4が始まるのかと思ったら始まらず、
既に終わったかと思っていた八作とは想い(+思い出)を共有できるまで二人の関係は優しく形を変えた。

そもそも人生で起こる出来事ひとつひとつが
「ここらからスタート
ここで終わりです 」
なんてブツブツ切れるようなものじゃない。


人は起こった出来事で得た言葉や経験や体験を
抱えて
包み込んで
咀嚼して
飲み込んで
糧にして進んでいく。

とわ子と三人の元夫との結婚生活は
それぞれ
きっと悪いものじゃなかった。

むしろその時その時で
とわ子の「網戸が外れた」ときに直してくれたのが元夫達だったのだと思う。

注目すべきは、
とわ子は元夫を嫌いになって離婚した訳じゃない

ということ。

第1の夫 松田龍平演じる田中八作とは
他に好きな人がいたことのショックで離婚

第2の夫 角田晃広演じる佐藤鹿太郎とは
姑やご近所付き合いで離婚

第3の夫 岡田将生演じる中村慎森には
司法試験勉強に病んでしまった慎森が突然いなくなり離婚

離婚した理由にとわ子のネガティブな感情の変化は含まれていない。

3組に1組は離婚すると言われている現代で
離婚理由は必ずしも夫婦仲の悪化だけが原因ではない。

このドラマのいい所は
とわ子のように自分で稼いで好きな物はなんでも買えるし、一人焼肉も平気な自立した大人が
ふとした時に湧き出るもろさや寂しさ、
それを誰かと共有しようとする表現がリアルなのだ。

「いくつになっても寂しくなっちゃう」し
「網戸が外れちゃった」ときに自分じゃない誰かに直してもらいたい。

「人を傷つけるのは他人だから、慰めてもらうのも他人じゃないと。」


一人で生きられるけど、ひとりは嫌。

誰しもが抱いたことのある感情を否定することなく

このドラマは優しく受け止めてくれる。


メッセージを押し付けるでもなく、

寄り添って温めてくれる羽毛布団のような優しさがこのドラマの最大の魅力だと思う。






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