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ネクイノ取締役CTOの退任のご報告

こんにちは。宮田です。

この度2021年8月末をもって、株式会社ネクイノの取締役CTOを退任しました。
約5年間という長きに渡り、お世話になった各位関係者の皆様、本当にありがとうございました。
今後しばらくの間は、株式会社ネクイノ外部パートナーとして関わらせていただいますので、今後とも宜しくお願い致します。創業の2016年からの5年間での経験や思い出と今後について少しお話できればと思います。

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「みやっち、オンライン診療の会社創ったから手伝ってくれない?」

話は2016年に遡ります。当時は、メディカルスタートアップが勢いづいていた時代でした。
2015年8月、厚生労働省がオンライン診療の制限を緩和し、一般の人でも利用できる通知を出したことで、多くのオンライン診療サービスが登場した時期でした。

私はというと、大手から独立起業して、キュレーションメディアを制作し、自身の軌道に乗り始めていたことでした。(WELQ事件の前で盛り上がっていた時代でした)、奈良女子大学で地域ヘルスケア事業をお手伝いしていたり、クリニックや病院でITコンサルティングをしていました。
ネクイノ代表の石井とは、関西学院大学のMBAで知り合い、仕事もいくつか一緒にしている間柄で、盟友でもあります。
ある日そんな石井から「リッチマン、プアウーマンというドラマを知っているか?おれは医療業界のパーソナルファイルを作るから力になってくれないか?」と小栗旬かと思わせるような笑顔で声を掛けられました。その瞬間から私の石井への恋が始まったのだと思います。(笑)
ヒロインの石原さとみ枠で迎えてくれるのかと思いきや、創業エンジニアの綾野剛枠でしたが、チャレンジできるフィールドなのではないかと期待しかありませんでした。

冗談はさておき、当時私がやっていた事業では、時流には乗るものの、今ない未来を作るサービスは作れないと思っていました。
グレーゾーンであったり、規制がある領域に社会変革を起こし、新たな未来の形に変えていくことは、恐らくロビイングも相当しないといけないし、過去の流れからくる既得権益とも戦わなくてはならない、差別化して競合と戦うなんて次元ではありません。

それを「やる」と石井にいわれた時に、「もしかしたら彼は本当にやりきるかもしれない、順風な今の事業を捨ててでも挑戦する価値はある」とジョインする決断をしました。

「あとよろしくね」

ジョインして直ぐに開発に着手するかというとそういうわけでありませんでした。
具体的なサービス像は何もない状態で、「あとよろしくね」からスタートしました。
新卒時代の就職先でも、何もない状態からスタートすることに慣れていたし、石井の目指す「やりたいこと」を実現するために知恵を使うのは私の役割です。

スタートアップでは、プロジェクトを進めるにあたり、まずは”やること”と”やらないこと”を決めることがとても大事です。
ユーザーニーズがあるからとあれもこれもと手を出すのは会社として余裕が出てからです。

サービスの根幹となる最小機能を定義し、そこを作り込んでいくことがはじめの一歩でした。
石井の言うこと聞いてるフリして「今はそれをやっている場合じゃないなぁ」と忘れてくれるまで後回しにしたこともありました(笑)

特に私たちが進めようとしている医療業界は、規制産業です。
まずは規制を読み漁り理解する、その上で設計に入るというアプローチをしました。
なぜなら多くの規制産業のスタートアップが、規制への向き合い方を間違ったばかりに倒産に追い込まれたり、上場できずに割安でM&Aをしていた悲劇を目の当たりしたからです。

さて、少し話がそれましたが、とはいえ1から新しいサービスを創ることはこの上ない楽しみです。
海外も含めた先行の他社サービスや、ユーザーペインを調べながら「あぁでもない、こうでもない」とワクワクと不安で眠れない日々を過ごし、情熱をもってプロダクトを磨き込み作り上げてきました。

その結果できたサービスが「スマルナ」の前身「スマ診」です。
お金も時間もない状況でサービスが出来上がり、初めて売上がたっととき、テレビで紹介されたとき、物流がパンクしそうになったとき、こういった瞬間の喜びはヒトシオでした。

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開発チームの紆余曲折と再結成

「スマ診」から「スマルナ」にフォーカスして、会社としても軌道にのってきたタイミングで開発チームの採用を開始しました。
応募してくれるだけでも有り難いという状況のなかで、数名のエンジニアがネクイノヘジョインしてくれました。
事業を一緒にグロースさせていきたいという志をもったメンバーです。
このメンバーは、Webサービスだけだった「スマルナ」のモバイルネイティブサービスを作ったチームです。

チームを作っていくにあたって、PDCAが必要不可欠です。
まだまだ赤字の会社でしたので明日には会社が潰れるかもしれない、だからこそ開発が遅くなると収益ポイントが遅れて、致命的な打撃を受けかねません。そのためにどうすればいいか、バリューのすり合わせ、開発体制や手法、技術選定など、上手く稼働していない点に改良を重ねました。

そんな中、チーム内の価値観のズレもあり紆余曲折失敗や別れの中、自分自身の整理を行いながら、個人間や組織としての修正を行い、「バリューフィット」を最重要項目として採用自体の見直しも行いました。
そのおかげで再結成された新たなチームは、驚くほどのスピード感と品質でプロダクトを磨き込んでくれた本当に心強いメンバー達です。
今も感謝していますし、これからも大変心強く感じています。

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次のステップへ

創業から5年、おかげさまで今では50万を超えるユーザーに支えられるサービス、従業員数も90名ほどの会社に成長しました。

会社がグロースしていく過程で、ネクイノで私のすべき役割・できる役割を常に考え、どの立場で関わるべきかを熟考してきました。そして経営陣とも相談を重ねた結果、私はネクイノから離れて外から支援することを決意しました。
改めて、ネクイノという枠を超えて広い視野の中で積極的に関わり貢献していきたいと思っています。

また、自由な立場となった今、さまざまな企業のご支援にも携わっていきたいですし、チャレンジもしていこうと思います。
今後は個人として引き続きnoteで更新していこうと思っています。

最後になりますが、ネクイノの皆、5年間本当にありがとう!お世話になりました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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