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「お金をいただく」かわりのものは?

今日はお金の話を。

私がお金のことで、学びが深かったなという案件がある。


ある企業さんのディレクションを依頼された時、もう業務がパンクしていて、どうにもならない中に入った。

ある程度はマニュアルとレクチャーでわかったけど、やっぱりわからないこともあるし、質問したい。

業務はチャットでのやりとりだったから、質問があったら送って回答を待つ。
「まだかなー」「忙しいのかなー」
「ディレクションを頼むくらいだから忙しいか!」

最初はそう思って、回答が来ない時はリマインドしていたけど、しばらくすると「この会社、回答が来ないのは当たり前なんだな」と気付いた。


せめて1回で回答しやすいようにと思って、まとめて送るようにはしていたけど、手が回っていないから、発注側から回答が来ない。
”忙しいからしょうがない”と思う反面、正直回答がないのは困る。

連絡して、リマインドして、お返事が来て、連絡して、リマインドして、お返事が来て。

「1つの質問の回答にどれだけかかるんだ? 」
「チャット見る時間もないの?」
「日中は難しくても帰る前に見てくれたら良いんだけどなあ」

やってもらえないという気持ちが募っていき、イライラすることが増えた。
みてもらう方法ないかなーと、提案もした。

・1日1回チャットを見てもらえないか
・リマインダーかけて、ある時間になったらチャットを見てもらえないか
・チャットは流れちゃうなら、質問は別にまとめようか
・複数のチャットを見るのが大変ならスプレッドシートを見て答えるのはどうか
・(どれもできないから)どういうふうにすればできそうなのか

当時の私にやれることは、全部やった。
でもなにひとつうまくいかなくて、毎日イライラ。

毎日家族に同じテーマの愚痴を言う。言っても言ってもスッキリしない。
寝る直前までイライラしながら「どうしたらいいんだろう」と考えて、なにひとつ変わらないことに悩んで。

ピークだった時は、頭の血管が切れかけているの体感でわかった。
血管がドクドクいっているのがわかって、そろそろやばいんじゃないかと思った日もある。


頭の中では「向こうも忙しいから返信できない」という状況はわかっている。

わかっていても心がついてこない。
イライラする。許せない。やってくれない。こんなに頼んでも改善しない。一体何しているんだろう。何も思っていないんじゃないか?
こっちの不快感は何も伝わっていないんじゃないか?

つい強い言葉になりそうなことをぐっとこらえて、困っていることを伝えようとする。
我慢するから言葉ににじみ出ていたとおもうけど。


そんなふうにカッカカッカしながら仕事をしていたある日。
急に、私は「報酬を得る」との交換で、この猛烈な怒りを手に入れているんだと頭に浮かんだ。

その瞬間、急に熱が冷めた。
私が選び続けている。
どんなにイライラして眠れなくなっても、頭に血がのぼって血管切れそうになっても、「続ける」を選んでいる。

報酬欲しさにそれを選んでいる。
そんな自分の無意識の選択が、大きな犠牲を払っているように思えたの。


その案件の仕事を辞めるきっかけはそんなふうに「私の選択なんだな」と思ったこと。
もちろん「だから明日辞めます!」とはいかないから、次の仕事をどうするか、引き継ぎまでどれくらいかかるかを考えて、最終日までちゃんとやりました。


この「報酬を得ることで生まれる犠牲」という考え方は、今、仕事を選ぶときにもよく意識している。

楽しく仕事をして報酬を得られたら1番だけど、対応案件によっては毎日たのしいだけとはいかない。

だから改善のために相談したり、仕組化したり、困っているんだと伝えたりする。私の考え方の問題かなと思考を見直してみる。

自分の中でいろいろと手を尽くしても我慢が続くなら、「我慢するための報酬をもらっている」と考え直してみる。

ただ怒っているだけだと「わたしの怒りはあっちのせい!」とどんどん燃え盛るけど、「このままでいいの?」「お金もらってこんなにイライラすることにしているのはわたしだよ!」とすこし感情と距離をとってみると、サインとして使える。


どうしてその感情が起きるのか。
不快な感情が湧き上がり続けるのはなぜなのか。
その感情を感じ続けたいのか。

そうやって聞いているのが、感情。


この案件は、感情をサインとして使う良い学びだったなと思うんだ。









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