スリム、シンプル、スロー『インベスターZ』に学ぶスモールビジネスの生存戦略
こんにちは、ビジネスに役立つマンガを紹介している、みやおと申します!
今回の記事では、『インベスターZ』というマンガで学べるスモールビジネスの戦略について紹介します。
インベスターZとは?
作者は『ドラゴン桜』など数々のヒット作を抱える三田紀房先生。ただ面白いだけでなく、学びが得られる作品が多いことも特徴です。
この『インベスターZ』は投資をテーマにしたマンガです。主人公の財前考史が中学入学とともに「投資部」に入部して投資を学んでいく、というストーリーです。
投資そのものだけでなく、投資の対象となる会社やビジネスについても学べることが魅力の一つです!
永続する商売の秘訣=3S
本作の11巻では、個人経営の喫茶店に関するエピソードがあります。
この喫茶店のマスターが語る、永く愛される商売の秘訣がスリム、シンプル、スローの頭文字を取った3つのSです。
筆者は中小企業診断士という経営コンサルタントの仕事をしているのですが、実際に経営が安定しているお店ではこの3Sが守られていると感じます。
スモールビジネスの経営にとても役立つ内容ですので、それぞれ詳しく紹介していきたいと思います!
スリムとは?
スリムとは、人件費や家賃、原価などのコストを押さえることです。
なるべく在庫を持たずに廃棄によるロスを減らし、また家賃や人件費といったコストを押さえることで利益率を高めることができます。
コストを削減するときによく「固定費」と「変動費」に分解して、どちらを減らすかという検討をすることがあります。
「固定費」は売上に連動しないでかかるコストで家賃や人件費が該当します。
一方、「変動費」は売上に連動して上下するコストで原材料費が該当します。
今の経済状況のように売上の減少が続く場合は、「変動費」は売上とともに下がっていきますが、「固定費」は一定のままで負担が重くなります。
そのため「固定費」となる家賃や人件費については、特に注意する必要があります。
シンプルとは?
シンプルとは、扱う商品数を絞りこみ最小限とすることです。
扱う商品が多いと仕入れや仕事量が増えて経営の負担となります。
商品の絞り込みを行うためには、ターゲットを誰にするのか、が重要となります。
大手企業であれば、あらゆるターゲットに対して様々な商品を取り揃える、というのが王道の戦略となります。
それに対してスモールビジネスの場合は、大手と同じことをすると資金や人材などの経営資源で差があるため、とても苦しい戦いになることが多くなります。
そのため、ターゲットを絞ってそれに合わせた商品で勝負することが、もっともコスパが良い戦い方と言えます。
スローとは?
スローとは、あまり忙しくないことです。
ビジネスをする以上、忙しいということは正しいと思いがちですが、必ずしもそうとは限りません。
お客様が増え過ぎて体力を消耗したり、サービスが低下する、ということが起こりえるからです。
そこで、適切なマーケット管理を行うことが重要となります。
マーケット管理というのは、どうやって適切な商品やサービスのサイクルを作りそれを円滑に回していくのか、ということです。
忙しすぎてもダメだし、もちろん少なすぎてもダメなので、ここを上手くコントロールすることこそが経営といえます。
そのためには定期的に通ってくれる常連客をいかに育てるか、というリピート戦略が大事となります。
例えば「お店に3回以上通ってくれると、安定した常連客になる」というデータを取ってみるというのも有効です。
それをもとに、2回通うと次回使えるクーポン券を差し上げる、というプロモーションもよく使われるリピート施策です。
まとめ
ということで、今回の記事では長続きするビジネスの秘訣=3Sを紹介しました。
利益率を高めた「スリム」なコスト管理。
ターゲットを絞り込む「シンプル」な商品選定。
忙しくし過ぎない「スロー」なマーケット管理。
これが特に今の厳しい経済状況下において有効なスモールビジネスの生存戦略といえます。
最後に、今回紹介した喫茶店のエピソードでもっとも感銘を受けたシーンを紹介します。
「なぜお店を継いで欲しいと思ったのか」という質問に対して店主が回答したシーンです。
お店を経営している方は特に共感する回答ではないでしょうか?
個人的にもとても大好きなシーンで、こういった思いに寄り添える経営コンサルタントでありたいと心に留めています。
今回の記事で興味を持った方はぜひ『インベスターZ』を読んでみて下さい!
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