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アドレスホッパー2年の備忘録

はじめに

アドレスホッパーをはじめて

アドレスホッパーを始めて2年になりました。
ADDressという多拠点生活のサブスクサービスを使ってアドレスホッパーをしてきたのですが、予約履歴を振り返ると初めて滞在したのは千葉県の南房総市にある千倉邸というところで2020年9月22日に滞在したのが最初でした。

2年間アドレスホッパーをしてきたので、少し振り返りつつ今後のことを考えてみたいと思いnoteを書くことにしました。

アドレスホッパーについて

アドレスホッパーの3つのスタイル

そもそも、一口に「アドレスホッパー」と言っても、実は様々なスタイルがあります。
多くのアドレスホッパーの人と接してきて、代表的なものは以下のパターンかなと思います。
名前は私が勝手に命名しました(笑)

フルアドレスホッパー
基本的に、ずっと転々としながら暮らす人です。固定の住所を持たず、ADDressやHahH等のサブスクサービスやホテルなどを使って転々としながら暮らしています。
皆さんがアドレスホッパーと聞いて思い浮かべるのは、この人たちかもしれません。
ずっと旅ができる、好きな地域を時間をかけて周れるというメリットがあります。
例えば、冬の間ずっと沖縄にいたり、九州をゆっくり一周してみたりという感じです。
ただし、一方でずっと移動し続けるのは疲れるという声も聞きます。

ハーフアドレスホッパー
半分定住、半分ホッピングをしながら暮らす人
です。
拠点を持ちながら、月の半分は定住、半分はサブスクサービスなどでホッピングします。
安定した居住地を持ちながら、ホッピングもできるいいとこ取りです。
毎月2週間程度の長めの旅行に出ているイメージですね。
フルアドレスホッパーに比べて疲れにくい、定住生活も楽しめるというメリットはあります。
ただし、1回のホッピングは2週間ほどなので1ヶ月ずっとどこかを周るというのが難しい(実際にはしても良いが、定住地の固定費がもったいない)というデメリットもあります。
1ヶ月ずっとホッピングをして、次の月は定住をして、という1ヶ月ずつ定住とホッピングを入れ替える人も、このハーフアドレスホッパーに入るでしょう。

週末アドレスホッパー
週末や長期休みを中心に定住地から拠点を移して暮らす人です。
もはやアドレスホッパーというより、旅行好きという感じでしょうか。
基本的には定住をしつつ、休みを中心としてバケーション(ワーケーション)に出るスタイルです。
最も取り入れやすい暮らしのスタイルではあるものの、ホッピング日数が限られているので移動するエリアや滞在日数に制限がかかります。
家族連れでアドレスホッパー的な暮らしを取り入れようとすると、このスタイルに落ち着く方が多い気がします。

私のアドレスホッピングについて

私のアドレスホッピングのスタイル

私のアドレスホッピングのスタイルは、「ハーフアドレスホッパー」でした。
2年の間、毎月2週間は定住、2週間はホッピング
という生活を続けてきました。
ただ、私の場合ちょっと特殊なのは定住地もその時の好みで変えてきたことで、元々は東京の賃貸に暮らしていましたが、その後は大阪、岐阜、京都とベースとなる定住地も半年おきくらいに変えてきました。

アドレスホッピングを始めた理由の1つとして、理想の暮らし方を見つけたいというのがあったので、アドレスホッピングをしながら好きになりそうなエリアを見つけたら定住地として住んでみるというのを試してみました。
都会から田舎まで色々なエリアで、かつ暮らしのスタイルもシェアハウスや古民家暮らし、ホテル暮らしなど様々な暮らしに挑戦してみたことで、自分の望む暮らしについて考察が深くなりました。

アドレスホッピングで周った場所

2年間のアドレスホッピングで周った場所は、34都府県になります。
まだ周れていない地域は以下です。

・アドレスホッピングでは行っていないが、過去に行ったことのある場所(5県)
岩手、宮城、群馬、埼玉、熊本

・全く行ったことがない場所(8道県)
北海道、青森、秋田、山形、島根、鳥取、宮崎、鹿児島

自分の定住地から同心円状にホッピングすることが多かったので、日本の北と南の端が残っているような形です。
この辺りの場所は、今後また少しずつ周っていきたいと思います。

アドレスホッピングで訪れてよかった場所

34都府県の様々な場所を訪れたという話をすると、「どこがよかったですか?」ということを聞かれることが多いです。
ぶっちゃけて言うと「あなたが何を求めるかで変わるし、どこも違う良さがある」ということなのだと思うのですが、個人的な好みをあえて書いてみます。

・暮らしてよかった場所
今のところ、暮らしてよかった場所として気に入っているのは「京都(市内)」です。
最初は観光地なので暮らしにくいのではというイメージがあったものの、暮らしてみると街はコンパクトで移動しやすく、景観条例によって街並みがきれい、過度な広告の看板などがなく疲れない、鴨川をはじめとした自然がある、飲食店のクオリティが高い(おしゃれなカフェが多い)などお気に入りポイントがたくさんあります。

・訪れてよかった場所
これは本当にあげればキリがないのですが、あえて1ヶ所あげるとすれば「岐阜(郡上八幡)」です。
アドレスホッピングをする前は知らなかった場所でしたが、古い町並みと吉田川の流れる自然の景色が融合したとても素敵な町です。
個人的には田舎暮らしが苦手なので住むことはできなかったですが、訪れて本当に良かったなと思う場所ですし、また機会があれば訪れてみたい場所です。

こうやって振り返ると、街並みがきれいで、適度に自然と町が融合している場所が好きなのかなと思います。
海も好きですが、なぜか山と川のある場所に惹かれる傾向にありそう。
こんなことに気付けるのも、アドレスホッピングの魅力ですね。

アドレスホッピングを通じて得たもの

私が2年間のアドレスホッピングを経て得たものは大きく3つあると思っています。

・全国を旅した経験
1つ目は、全国を旅した経験です。
私は、アドレスホッピングを始めるまで特に旅行好きというわけでもなかったので、国内でも行ったことのない都道府県が多くありました。
今回、2年間で34の都府県を訪れたことで、今ではニュースや人の話でどこかの地域の話が出た時は、行ったことがあるか、だいたい場所をイメージできるようになってきました。

よく言われる話として、「日本を好きな海外の人の方が日本人より日本に詳しい」というようなことがあるかと思うのですが、私は海外の人と出会ったとしても色々な角度で日本の素敵なところをオススメできるくらいには日本を知ることができたかなと思っています。

・自分の価値観の明確化(野生の回復)
2つ目は、自分の理想の暮らしや価値観が明確になったことです。
言うまでもないですが、この地球上に自分の好みを全て兼ね備えた場所というのは基本的に存在しません
そのため、どこかで暮らすということは、あらゆるメリット/デメリットを比較検討して選ぶということになります。

分かりやすいところだと、海と山どっちが好きかとか、都会と田舎どちらがいいかなどだと思いますが、暮らしには色々な要素があり、それぞれは0/100ではなくグラデーションです。
私が全国を周って素朴に感じたことのうちの1つが、「こんなところにも人が住んでいるんだ・・」ということでした。
それくらい人の暮らしに求める価値観は様々ですし、自分がどんな暮らしを好むかの価値観に自覚的になることはとても重要だと感じます。

また、アドレスホッピングをすることで、暮らしにとどまらない自分の価値観についても自覚的になります。
なぜなら、アドレスホッピングしている期間というのは、意思決定の回数が圧倒的に増えます
初めての街でどこを訪れ、何を食べ、誰と一緒にいるのか。そして、次はどこを訪れるのか。
それは全て自分で決める必要があります。

スノーピーク社長の山井梨沙さんが「野生を取り戻す」というテーマで話されていた中で、野生を取り戻すためにはあらゆる縛りから自由になる必要があるという主旨のことをおっしゃっていました。
これは、まさにアドレスホッピングにも通じるものがあると感じました。

普段私たちは、無意識的にでもあらゆるものに縛られており、また新しいチャレンジには負荷がかかるため、基本的には今まで慣れている方を選ぶ傾向にあります。
そこで、新しい環境に飛び込むことや、全て自分で決めていくという体験をしていくことで、「自分は何を大事にしているのか」「何を軸に選択をしているのか」ということに自覚的になり、結果として自分の中の野生を取り戻し、自由になる感覚を得ます
アドレスホッパーには自由な感覚の人が多いですが、そういう人がアドレスホッピングをするというのももちろんあると思いますが、アドレスホッピングをする中でどんどん自由になっていくという逆の相関も大いにあると思うわけです。

・全国にいる多くの知人や友人
最後に、全国に多くの知人、友人ができたことです。
それは地元の方のこともあれば、同じようにアドレスホッピングをしている仲間であることもあります。
この2年間本当に多くの方と知り合い、その中で気の合う友人や、今までも連絡を取る知人、一緒にプロジェクト進める仲間もできて本当に交友の輪が広がったなと思います。
これも、かけがえのない財産の1つです。

今後について

今後の暮らしについて

現状の暮らしについて整理できたところで、今後の暮らし方について書いてみようと思います。
長々と書いてきましたが、実はこれが今回書きたかった本題になります(笑)

変更 ⑴ ハーフアドレスホッパーをやめます!

2年間アドレスホッピングをしてきて、1つの節目としてここでハーフアドレスホッパーをやめようと考えています。
具体的には、完全にアドレスホッピングをやめるというよりは、今まで毎月月の半分はホッピングをしていたところを、好きな時に緩やかにホッピングするスタイルに変えようと考えています。

今までは半分定住/半分ホッピングというスタイルを貫いてきましたが、今後は月に0~14日程度で気の向くままにホッピングをする予定です。
基本は定住のスタイルを取りつつ、好きな時に好きな場所に行くイメージです。
より、週末アドレスホッパーに近づく感じですね。

訪れる場所も、今までは行ったことのない場所に行くことがメインでしたが、今後は気が向けば行ったことのある場所にリピートすることも増やしていきたいと思います。

なぜそのように考えるようになったか

「アドレスホッピングに疲れてきた」というのが、1つの偽らざる本音です。
とても贅沢な話ですが、毎月アドレスホッパーとして暮らすというのは刺激的である反面、移動による疲れもあります
私も最初は毎月移動することが楽しくて仕方なかったのですが、ここ最近はどちらかというと「毎月移動しなくちゃ」「今月はどこに移動するんだっけ」とアドレスホッピングをすることに追われていたように思います。

私はもともとストイックな部分もあるため、「やると決めたことはやり通したい」「一旦全国制覇したい」そんな想いに突き動かされている部分もありました。
しかし、大事なのは「自分が本当にアドレスホッピングをしたいと思うか」「したいのであればどれくらいのホッピングを望むのか」ということであるはずです。
自分の心を大事にして、今一度見つめ直し、「本当に行きたいのか」ということを中心に再度暮らしを見つめ直したいということで、アドレスホッピングの期間をより自由にすることを決めました。

また、全国制覇まで行かなくても全国制覇に近いくらい多くの場所を周れたこと、個人的な仕事やプライベートのタイミング的にも見直したいと考えた時期であったのも大きな要因です。

変更 ⑵ 海外も視野に入れます!

それでは、単純にアドレスホッピングを減らし定住にシフトするかというとそうでもありません。
日本はある程度周れてきたので、今度は海外、特にアジア圏での暮らしを取り入れてみたいと考えています。

具体的には、日本でのアドレスホッピングを見直す分、年に2回、1回1ヶ月程度の海外暮らしを実施してみたいと思っています。
候補地としては、韓国、台湾、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、モンゴルあたりでしょうか。年に2か国ずつくらい暮らしを体験していけたら良いと思います。

なぜそのように考えるようになったか

もっと暮らしを自由にする生き方に挑戦してみたくなったからです。
全国をホッピングするうちに、次は海外に行くことでホッピングのエリアを広げるか、またはバンライフなどを始めることでホッピングのスタイルを広げるか。
そんなことを自然と考えるようになりました。

その中で、アジア圏で暮らしてみるというのはごく自然な次のステップとして出てきました。
アジア圏に絞っている理由は、日本の仕事は引き続き続ける予定なので、時差の関係で選んでいます。
また、海外の場合、国内とは違いフライト代も小さくない支出となりますので、その面でもアジア圏のLCCの発達は本当にありがたい限りです。

旅行ではなく暮らしなので、無理をせず、長く続けられること。
それは、アドレスホッピングにおいて非常に重要な考え方です。

アジア圏での暮らしを取り入れて、それが当たり前になれば、今後は日本でもアジアでもなく「地球で暮らす」ということに挑戦する日が来るかもしれません。

【図解】今後の暮らし

イメージしやすいように、アドレスホッピングスタイルの変更前と変更後の暮らしのイメージ(半年分)を図解してみました。
もはや、誰のためなのか分かりません(笑)
グラフからも分かる通り、暮らしのスタイルの変更後は定住の割合が30%ほどアップしていることが分かります。

アドレスホッピングスタイル変更前後の、暮らしのイメージ

結論

上記で書いたことはあくまで予定であり、その通りに実行するかは分かりません。
ただ2年間のアドレスホッピングの節目として、今の想いを形にしたものであり、10月以降も今と同じ暮らしを続けているかもしれません。

しかし、それでもいいと思っています。
その時、その時に感じる心の動きを大切にしながら、暮らしたい場所で暮らす。
そんな自由の味を、今後もじっくりと味わっていきたいと思います。

最後に、アドレスホッピングを可能にしてくれたADDressというサービスや会社、Kakedasのファミリーたち、アドレスホッピングを支えてくれた人、そしてアドレスホッピング中に出会ってくれたたくさんの人への感謝の想いを胸に、この2年を振り返ってこの言葉で締めたいと思います。

ワンピース 冬島編より Dr.ヒルルク



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