毎日死ねと言われたらどうなるか
大学の頃、私は毎日「死ね」と言われていた。
多分、言っている人は、悪気なくその言葉を発していたと思う。弄るようなそんな感じ。私も、言われてヘラヘラしていたと思う。当時を思い返すと。(当時の自分に、ヘラヘラしてんじゃねーよと言いたい。)
私は、自分自身では、そんなに気にしていないつもりだった。
お笑いでも、そんな感じのツッコミが流行っていたし、自分にそんなにダメージがあるものとも思っていなかった。
それか、笑いながら、「死ね」と言われて、どうしたら良いのかわからなかたのかもしれない。ここで、嫌な顔をしたら、嫌われる。冷たくされてしまう。とにかく、作り笑いをするしかなかった。
しかしながら、
毎日のように、「死ね」と言われるのは、ジャブを少しずつ食らっているようなものだったようだ。
ある時、
「だからお前はダメなんだ」
という、言葉の右ストレートが飛んできたとき、私の精神はぶっ壊れた。
右ストレートをきっかけに、積もり積もっていたダメージが表面化し、心が痛みに耐えられなくなった。自分の存在が憎く、存在する価値のない自分の所在をどこに持っていけば良いかわからず、号泣し、自分自身を殴りつけ、自傷行為に走った。
それでも、笑顔を保つしかなかった。
「死ね」と言われないためにはどうしたら良いのか。
「お前はダメなんだ」と、言われないためにはどうしたら良いのか。
ビクビクしながら、毎日過ごしていた。
そして、
「自分ばダメなんだ、自分はダメなんだ、自分はダメなんだ。」
いつのまにか、「言われていたはずの言葉」が、「自分の言葉」になっていた。気がつけば、自分で自分に暴言を浴びせるようになっていた。
人がいるときは、いつも作り笑顔でいた。1人になると、ホッとして、何も考えられなくて、ひたすらぼーっとしていた。コーヒーばかり飲んでいた。コーヒー中毒だった。そして、過食することで満たされない何かを満たしていた。
こんな自分を誰にも知られたくなかった。でも、助けて欲しかった。この混沌とした沼から、今すぐ抜け出したかった。でも、足を取られて、動けない。体が重い。どこに手を伸ばせば良いか分からなかった。
言葉は、凶器。
人にも、自分にも、刃は向けてはいけない。
言葉には想像以上の力がある。
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