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【エッセイ】「負けず嫌い ・ 勝ち気」+「気の強さ」=「きっつい性格」

「俺、昔っから負けず嫌いなんだよねぇ」とか「私、子供の頃から勝ち気でぇ」と、武勇伝のように語る方いらっしゃいませんか?
「勝ち気」や「負けず嫌い」もほどほどにしないととんでもない事になるかもしれません。

「アイツなんかウザいんだよね。でも、自分より強いから何も言えない」という状況において、それでも「勝ち気」や「負けず嫌い」が沸々と身体の中から噴き出してくる人はどうなるか?

人に負けたくない、自分が一番じゃないと気が済まないのが「勝ち気」や「負けず嫌い」。「人というのは、人より優位に立ちたがる生き物」とどこかで見たことがあります。親に「あんたは負けず嫌いな所がちょっとあるからね」と言われて育った僕自身も思い当たる節があります。
幸いな事に、僕はそれ程気が強い訳ではないので、やみくもに周囲に不快な思いをさせることは無いかと思いますが、これが「勝ち気」や「負けず嫌い」で、かつ「気が強い」人だった場合、目も当てられません。いわゆる「きっつい性格」の人です。
会社にもいませんか?男性同士の競争で勝ち抜いた、自身より弱い人間を乱暴に雑に扱う男性。鋭利な言葉の刃物で人の心を刺して致命傷を与えてしまう女性。

困難に立ち向かう場面において「負けず嫌い」「勝ち気」「気の強さ」は必要になる事もあるでしょうけれども、大人になってからの露骨なそれらは「恥ずかしいもの」でもあります。

「勝つ」とは素晴らしい事ですが、「負けを知らない」となると話は違う。多くの大人は人生のどこかにおいて「負け」を経験し、とてつもない屈辱感、悔しさ、恥ずかしさ、惨めさを知ります。それらを知るからこそ、敗者や弱者の気持ちを知り、強さと優しさを心に共存させることができるのでしょう。
しかし、負けを知らず大人になってしまった場合は「モンスター」の誕生でございます。敗者や弱者の気持ちも分からず、自身の中にある攻撃的な強さだけを武器に、周りを傷つけ振り回しながら世の中を渡り歩いて行くわけです。もしかしたら陰湿な嫌がらせに繋がる事もあるかもしれませんね。


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