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OGRE YOU ASSHOLE / アルファベータ vs. ラムダ (2007)

 年々音楽性を高め評価を上げ、確固たる地位を築いてる人たち。なんだけれど、途中から音楽素人の私は、独自の高みへと昇ってゆく姿についてゆけなくなり、ぽかんと眺めるだけになってしまった。

 すごく好きだった時期があるだけに、今は熱心に追いかけて聴いていない気持ちを書くことはなかなか難しい。

 OGRE YOU ASSHOLEの曲との一番最初の出会いはEP『平均は左右逆の期待』に収録されてるアドバンテージ

 ソリッドな2本のギターの音と一度聴いたら忘れられないフレーズ、脱力気味に意味不明な詞を歌うハイトーンボーカル。やっべ、めっちゃくちゃちゃ好みのバンドにぶちあったった!と歓喜のあまり目眩がした。

 さらに、アルバム『アルファベータ vs. ラムダ』のコインランドリーフラッグ に撃ち抜かれ、EP『しらないあいずらせる子』 の表題曲、アルバム『フォグランプ』のクラッカーヘッドライト などなど、聴いた聴いた。

 2009年のカウントダウンジャパン、2010年のROCKS TOKYO、この2つはオウガが出るから参戦したようなものだ。そして間があいて2016年のクーラ・シェイカーのアルバム “K” 再現ライブにオープニングアクトとして登場したパフォーマンス。私が彼らのライブを生で観ることができたのはこの3回、残念ながら一度もワンマンでは観ていない。

(クリスピアンあいかわらず王子さま。ストールが鬼太郎のベストに見えなくもないが)

 2010年から2016年までなぜ間があいたかというと、この間にオウガの音がかなり変わっていったから。

 メジャーデビュー初期までは、USインディー・ロックの影響が大きい、どちらかといえばポップなギターロックバンドだったと思う。

 ある頃から、ゆらゆら帝国と同じ文脈で語られはじめたり(ゆらゆら帝国も好きだからそれはまあ良いんだけど)、さらに2010年のアルバム『homely』以降、『100年後』『ペーパークラフト』と、後に3部作と呼ばれるアルバム群は、リリースのたびに音楽がサイケデリックに、メロウになって行くように感じた。よりオルタナティブに、さらにはクラウトロックの影響を、という言葉もあちこちのレビューで目にしたし、音楽のプロたちに絶賛されているのもわかったけれど、これらのアルバムに困惑してしまう自分は、音楽的な知識や間口が浅く狭いんだろうな、と気おくれしてしまった。私にはこれら3部作は、”音”として面白くよく出来ているとは思うのだけれど、一つ一つの”曲”として捉えようとしてしまうと、頭の中クエスチョンマークだらけになってしまうアルバムだった。それまでのオウガの曲たちを耳に残したまま聴くことが困難で、以降のアルバムは購入していない。

 ただ、2016年のクーラ・シェイカーのオープニングアクトでのライブで印象がまた変わる。クーラ・シェイカーの東京2公演のうちLIQUIDROOMでなくZEPPを選んだのはもちろんオープニングアクトがオウガだったからなのだが、この頃リリースした『ハンドルを放す前に』は聴いていなかった。でも、ZEPP DiverCityの暗いフロアでビール飲みながらのんびり聴いていたら、CDだとハテナが飛び交っていた曲が、気持ち良いことこの上ない。始まりも終わりもわからないうちに、ループする音にどんどん何処かに連れて行かれる感じ。これはライブで聴くべきなんだろう。自分たちの好きなようにその時好きな音を作り上げるオウガはやっぱり格好良いんだよな。

 というわけで、最近はCDは買っていないけれど、サブスクで『homely』以降の曲もちょこちょこ聴いている。

 この週末に15周年記念ライブがあったそうだ。きっと良いステージだったに違いない。

 でも、ほんの少しだけ、もう一度ライブで『アルファベータ vs. ラムダ』のころのアレンジの、フラッグを聴きたいなと思ってしまうのは余計な懐古なんだろうか。なんだろうな。

 あと、Vo,Gの出戸学さんがライブで「あ(りが)とございましたっ」と舌っ足らずに言い捨てるのも良きです。



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