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美を支える緻密な構成意識。リ・ウファン「Dialogue(対話)」シリーズ最新作を見てきた

リ・ウファンによる最新作「絵画展」は、東京・谷中のSCAI THE BATHHOUSEで開催されています。

リ・ウファンプロフィール

 李は1936年韓国・咸安郡生まれ。60年代後半より「もの派」の理論家およびその中心的な実践家として活動。石や鉄といった自然物と人工物の即物的な組み合わせからなる「関係項」シリーズや、余白がキャンバスの大部分を占める絵画の連作「Dialogue(対話)」など、作品への人為的な関与を極力排除したミニマルな世界観が、空間に独特の緊張感と静謐さをもたらす。
 2010年には、香川県直島に建築家・安藤忠雄とコラボレーションした李禹煥美術館が開館。11年、ニューヨークのグッゲンハイム美術館にて回顧展「Making Infinity」が、14年にはヴェルサイユ宮殿の招聘アーティストとして個展が開催。またこれまで、ドクメンタやヴェネチア・ビエンナーレをはじめとする多数の国際展やグループ展に参加してきた。

美術手帖より https://bijutsutecho.com/exhibitions/5604

作風が変わっても、私のひとめぼれは終わらない

リ・ウファンの作品との出会いは中学生のとき。美術の教科書に載っていた、彼を代表するシリーズである「From Line」にひとめぼれしたのです。それが私と現代アートとの出会いでもありました。

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SCAI THE BATHHOUSEよりhttps://www.scaithebathhouse.com/ja/news/2011/06/ny_marking_infinity/

次にリ・ウファンの作品に出会ったのは上京してから。原美術館の中庭でたまたま見つけた「関係項」です。最初はリ・ウファンの作品だとは気づかないままに、惹かれるものを感じました。その後「関係項」が彼の作品だと知り、自分は作風がどうあれこのアーティストが好きなのだと確信します。

そしてついに2017年には、「単色のリズム 韓国の抽象」展で「From Line」シリーズを直接見る機会を得ました。絵の正面に立ったとき、からだが震えたのを今でも思い出します。

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東京オペラシティアートギャラリーより
https://www.operacity.jp/ag/exh202/

「Dialogue(対話)」について

そして、今回の展示も素晴らしいのひとことに尽きます。

「Dialogue(対話)」シリーズは、キャンバスに色彩のグラデーションがかかった、まるみのある図形が描かれます(こちらの美術手帖の記事に画像があります)。
https://bijutsutecho.com/exhibitions/5604

一見大きなワンストロークで描かれたかのようにも見える作品。しかし間近で見れば、それが緻密な計算と素晴らしい技術で成立していることがわかります。

最新作では、描かれた図形にシワが寄っているかのように、凹凸があるように見える工夫がなされています。具体的には、図形の中に暗い部分と明るい部分があるのですが、遠目だと一見同じトーンに見えるのが驚くべきところです。

アーティストとしての長いキャリアに裏付けされた、確かな技工あってこその作品なのだと心を打たれます。

実際にストロークのひとつひとつまで見られる距離から鑑賞することで、その凄みを感じられる作品でした。実際に行ってみることをおすすめします。

李禹煥「絵画展」
会期 2020年3月6日~4月25日
会場 SCAI THE BATHHOUSE
住所 東京都台東区谷中6-1-23 柏湯跡
電話 03-3821-1144
開館時間 12:00~18:00(4月20日は18:00〜20:00のレセプション時のみオープン)
休館日 日、月、祝
観覧料 無料
アクセス JR日暮里駅徒歩7分
URL http://www.scaithebathhouse.com

美術手帖より https://bijutsutecho.com/exhibitions/5604



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(えだ・みやこ)エモの求道者/エッセイスト。毎日noteを更新しています。精神疾患、恋愛、フェミニズムについてのコラムやエッセイがメイン。双極性障害。興味があるもの→短歌/哲学/マーケティング ご連絡→miyakoeda.sowasowa@gmail.com