やっぱ、ジャイアンツすげー。
・観察
・声かけ
・体調、ご様子確認
・水分管理
介護職の仕事は、とにかく日常生活に寄り添い、観察し、良いこともそうでないことも、情報として他の専門職に繋げます。
立ち上がり動作に異変があればOT・PTに繋ぎ、バイタル(体温、血圧、脈拍、酸素量)に異常があればナース・ドクターに繋ぎます。
その他にも、ケアマネージャーやデイサービス、家族も関係者なので必要に応じて繋いでいきます。
介護職は、医療の専門家でもないし、リハビリの専門家でもありません。
生活全体に関わるケアマネジメントの専門家という訳でもありません。
ですが、全ての専門職にバトンを繋ぐのは介護職の役割でもあります。
全てにつながる第一走者なのです。
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そんな介護職にあって、時折マニュアルや知識・経験だけでも対応できない事例も存在します。
介護職の可能性と同時に、無力さの認知を学んだ出来事を書きたいと思います。
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みんな困り果てる→期待されない
時に、関係者をはじめ家族までもが頭を抱える事例があります。
・こだわりの強い要望が多い
・認知症の進行により感情が不安定
・重度の皮膚疾患
・ADL(日常生活動作)の低下による在宅生活が困難
・精神疾患による精神面の不安定さ
多くの専門職が叡智を結集させて課題の発見から解決までを行います。
そんな中、ある男性利用者:Aさんのことを思い出しました。
デイサービス利用の平均年齢が80歳〜90歳なのに対し、その方は60代。
軽度の脳梗塞と精神疾患により、在宅生活が困難になり、ケアマネージャーさんの介入もあり、晴れてデイサービス の利用になりました。
奥様と二人暮らしのAさんは、精神疾患により、生活リズムが安定していませんでした。
夜遅くまで起きたり、朝早く起きたり、早朝3時に出かけようとしたり。
奥様の表情を見れば、毎日、1日1日の生活を”こなす”ことがどれほど難しいことなのか、想像に難くありませんでした。
そして、デイサービスにも期待されている様子もありませんでした。
”とりあえず、お風呂に入ってくれれば・・・”
”まあ、様子を見ていただいて・・・”
”というか、外出できるのかなあ・・・”
奥様はもちろん、ケアマネージャーさんもそんな感じでした。
些細な一言
気持ちは痛いほどわかっているつもりです。
よくあることなんです。
デイサービスへの拒否感が強い方も珍しくなく、ある意味そういった方の最後の受け皿としての役割を担っていることも自負しています。
(外観とか内装とか接客にこだわっているので、デイサービスだと思わずに来ている利用者さんもいらっしゃいます。)
Aさんも無口で、会話のキャッチボールもままならない状態でした。
”どうしたもんかなあ〜・・・”
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そんな時、ある一言を思い出しました。
「いつも何されてるんですかあ?」
”何って・・・病院から帰ってきて、テレビ観て、まあ、野球とか”
「テレビですか」
”まあ、ちゃんと観ているのかわかりませんけどねえ”
”それから夕飯を食べて・・・・”
1時間にも及んだ担当者会議の中での一コマでした。
まあよくある会話ですね。
ちょうど「巨人大鵬卵焼き」世代だし、野球好きは珍しくありません。
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”でも、これ、もしかするとイケるかも・・・!?”
子供のような・・・
僕自身も万策尽きて、何を話しても盛り上がらないので(前提として、Aさんは自治会長や地域活動の経験が多く、奥様曰く”人付き合いはすごく好きなはず”とおっしゃっていました。)、いっちょいってみました。
「いやあ、ジャイアンツ今年は日本シリーズ行って欲しいっすね〜!」
おもんないタクシードライバーの常套句です。
もうちょっと言い方考えればよかったあ〜〜〜〜・・・
と半ば後悔していたところ、
”そうだねえ!!今年はどうなるかなあ〜!勝って欲しいですね!!”
声デカっ!!!
そして、めちゃくちゃ笑顔。
送迎車の中でのやり取りだったのですが、その会話を皮切りに、施設到着までの20分間、ジャイアンツについて語りまくりました。
いい意味ですが、ただのジャイアンツ好きの子供のように嬉しそうにされていました。
こんなことでよかったのか・・・
でも、嬉しそうでよかった。
今年、ジャイアンツは悲願の日本シリーズ進出が決定しました。
今年も、ジャイアンツのおかげでAさんは笑顔になっていることでしょう。
やっぱ、ジャイアンツすげー。
*
<終わり>
シニアの方々が、主体的に・楽しく生活し続けられるよう、頑張ります!少しでもご協力頂けると幸いです。