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ちょっと恋。~コジュケイのいる春~

鬱蒼と生い茂るニガタケの合間を、黒い影が素早く走り抜けた。直後、林道の少し離れたところから可愛らしいニワトリ(?)がさっと飛び出してきた。あ、コジュケイだ。

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コジュケイはキジ科の野鳥。林道を歩いているとよく出会う。

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昔は三宅島でも狩猟が盛んで、犬を連れた狩猟目当ての旅行者がよく来島していたという。コジュケイはそのころキジと共に狩猟者のお気に入りの一つだったとか。しかし今では狩猟者は減り、このごろの彼らの天敵はもっぱら島外から導入されたイタチたちだ。

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イタチが増えた現在の三宅島でも、コジュケイたちは力づよく生き抜いている。

「チョットコイ!チョットコイ!」新緑の山に響き渡るさえずりを聞きながら、人々はタラの芽摘みに精を出す。

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○コジュケイ(Bambusicola thoracicus)鳥綱キジ目キジ科コジュケイ属

平地や低山地の農耕地、雑木林などに生息し、大きな声で「チョットコイ、チョットコイ」と繰り返しさえずる。


○ニホンイタチ(Mustela itani itani)ネコ目イタチ科イタチ亜科イタチ属

ネズミによる農業被害の深刻化から、三宅島では過去にニホンイタチが導入された。野鳥などの在来の野生動物にとっては脅威となっている。
参考文献:三宅島における導入イタチに対する住民の意識(上杉哲雄・丸山直樹・神崎伸夫(1998)、Wildlife Conservation Japan 3(2): 85−94)

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