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アスリートの県民性とエッセンシャルワーカー



むかーしむかし、短距離の山縣亮太くんがリオでメダルを獲得する前の話。

大学の後輩ということもあり、お話しさせていただく機会をいただき何を聞こうかとしばらく悩んだ末、「本番ではどういう風に競技に臨んでいるの?」という問いを投げかけました。
すると彼は「自身の競技は塗り絵に近い」と言いました。

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自分の理想の枠をはみ出さないように綺麗に塗っていく。

ただ速く手足を動かすだけでなく、彼の頭の中には理想形があり、それを塗り絵の枠として捉えているのです。そして、その枠を完璧になぞるために全てを微調整していく。スポーツにはそういった見えない作業が行われ続けているのです。

これを競技者は日々繰り返しています。
これが“職業病”と呼ばれる一つの要因になるのではないでしょうか?


みなさんこんにちは、三宅です。
最近では自身のキャリアについて、以前よりも色濃く考える今日この頃。。
最近では日本代表の練習の傍ら、国家資格であるキャリアコンサルタントの資格取得のために学校へ通っております。

そこには、キャリアコンサルタントとしてセカンドキャリアを歩んでいきたいからではなく、「キャリア」そのものの知識を身につけることでスポーツの常識が一般社会の非常識であり、それこそが強みであることを身をもって理解できるのではないかという漠然とした目論見があり、学習を始めているのです。そしてこれらの学習を進める中で副産物のような発見をしましたのでみなさんにご紹介させていただこうかと。

さて、そもそもキャリアコンサルタントは、クライエントのキャリアについての問題や課題に対しコンサルタント視点の問題とクライエント視点の問題をあぶり出すことで解決に導いていこうとするのですが、職業に対しての相談を考える際、ある程度の性格や興味に対して分類を行うことで適切な提案をすることがあります。

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少しだけ専門的なお話をするとホランドさんという方がVPI職業興味検査なるものを作りました。

どんなものかというと、、、

VPI職業興味検査は、160の具体的な職業に対する興味・関心の有無を回答することにより、6種の職業興味領域に対する個人の興味・関心の強さを測定するとともに、個人の心理的傾向を5領域について把握しようとするものです。


つまり、仕事の性質を6種の興味領域(現実的・研究的・芸術的・社会的・企業的・慣習的)に分け、それらを分布させることにより、クライエントはどの辺りにどの様な興味があるかを知ることで、その人にあった職業が提案できるという優れものなのです!

詳しい理論はみなさんの判断で勉強すればいいとして、、

とりあえず、ホランドさんは職業には似たような性質を持った人が集まるんだよねー。ということを唱えた人だと思っておいて、大丈夫です。笑

ってことは、、、

アスリートには競技に応じた性格や分類、つまり県民性があるのではないか
と考えるようになりました。

そこで、ここからは全く専門的な話ではなく、僕が生きてきた31年のうち26年もの間スポーツ業界に携わってきたことによる感覚的な話になります。

なので、、、
根拠なんて何一つありません。笑 のであしからず。。


さて、スポーツにおける分類をしていきます。
皆さんは球技とか格闘技とか、そういった形でスポーツを分類することが一般的かなと思いますが僕は、、、

記録系競技・対人系競技・得点系競技

という3つに大きく分類できると思っております。
そしてこれらには、一般的な職業イメージで分類できる県民性がありますので、それぞれ説明していきます。(ソースは僕!)


まずは記録系競技ですね。
これの最たるものとして陸上競技や競泳競技が挙げられます。
イメージとしては「職人」

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記録系の競技は再現性の競技であると僕は考えます。
練習の中で自分の中での理想像を作りそれを再現する。
まさに冒頭で述べた、塗り絵です。
スポーツ界の中で一番自分と向き合い、己を向上させる。
というまさに究極のアスリートと言える存在ではないのでしょうか。
(これはホランドさんのいう中では現実的・研究的・慣習的かな?)
この記録系競技は身体のみで行う身体系とアーチェリーや射撃のような道具系に細分化することができますが、またの機会にしたいと思います。

次に対人競技です。
対人競技は当然ながらたくさんあるので、少しだけ細分化しましょう。

流動性競技とラリー系競技が挙げられます。
流動性がある競技は柔道やレスリング、そしてボクシングやフェンシングで意外にもサッカーもそうです。
つまり、常に攻守が入れ替わり得点や勝敗が突然起こりうるものが挙げられます。一方、ラリーがある競技はバトミントンやテニスや卓球が挙げられます。広い意味では野球もそのうちの一つと言えますね。

これら対人競技(流動性)のイメージは「商人」です。

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人を理解することが必須である対人系は、自分のプランをどのように相手に適応させて勝っていくかということに長けています。そのため、人の考察や観察眼に優れている印象があります。
また、人が何を欲しているのか?何を望んでいるのか?
自分のプランや意見をどうすれば通すことができるのだろうか?
それを人の顔や距離感などの情報をもとに提案していくことができるのが商人に通じるところがあるのではないでしょうか?
(ホランドさんのいうところの芸術的・社会的・企業的ですかね)

そして対人競技(ラリー系)「カウンセラー・弁護士」のイメージです。
競技の特性として、自身が得点するためには相手の攻撃を受けた状態で反撃する必要があるこの競技。ラリー、すなわち「対話」を通して相手を分析してきます。つまりは相手とのやり取りや対話を通して人と関わることに長けていることから、これらの職業イメージとマッチします。
(ホランドさんでは芸術的・社会的・慣習的ですかね)

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そして得点競技です。
これはフィギアスケートやアーティスティックスイミングです。
華やかな印象を受けるフィギアスケートは「エンターテイナー」です。
(ホランドさんとしては研究的・芸術的・社会的といったところです。)

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再現性の中に、表現力が必要となるこれらの競技は、ルールの先のプラスアルファに長けていると考えられます。実際、今回の東京オリンピックでもアーバンスポーツは世界の注目を集め、そして熱狂を生んだことも記憶に新しいです。ただ上手に技を繰り出すだけでなく、観客を意識して人々の感情に訴えかけることを得意とするイメージがあり大人数に対してのプレゼンをさせるなら記録系の競技ではないかなと考えております。

とまぁ、グダグダとスポーツ業界のイメージを書いてきました。
もちろん「私は、そんな人じゃありません!」だったり「オレがそんなイメージだと思われるのが心外だ!!」という声がちらほらと聞こえてきそうですが、大丈夫です。僕が思っているだけです。笑

結局何が言いたいのかというと、スポーツって実はもっと社会的なんじゃないのかな?ってことです。

この様なご時世で、多くの職業にも多かれ少なかれ転機がありました。
その中でもエッセンシャルワーカーと呼ばれるような方々には、これらの期間を経て更に注目され、大切さを再認識させていただくことがとても多かった様に感じます。人と関わること自体が希薄になってきた昨今ですが、それでも「ケア」という言葉は多く使われているように感じます。

メンタルケアやヘルスケアはもちろん、看護や介護の場面でもケアという言葉は一般的です。ここでアスリートの話に戻ると、様々な性格や性質がある僕たちアスリートですが、共通していることがあります。

それは「自分自身のケア」に関してプロフェッショナルであるということです。

日々、身体を使うアスリートは次の日の練習や試合にむけての調整のために常に疲労や怪我の回復に努めるだけでなく、食事面やトレーニング面での調整も行う必要があります。まさに「ケアの鬼」ですね。笑

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そういった知見を社会に活かすことはアスリートにとってもそうですが社会にとっても価値のあることではないでしょうか?

アスリートのセカンドキャリアについてまだまだ考えることは山積みですが、アスリートの知見を社会に還元していく活動はどんどんしていきたいかなと思う今日この頃。

みなさん、寒くなってきましたのでお体に気をつけて。


皆さんに支えていただくと共に競技に対して僕が抱いているドキドキやワクワクを共有したいと考えています。一緒に戦いましょう!三宅 諒