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時評/詩の近景―沖縄(4)
2013年7~8月/田中眞人さん、川満信一さん、中里友豪さんほか
田中眞人さんの詩集『太陽の和声』(あすら舎)は奄美出身、関東在住の詩人が故郷に戻り、過ごした日々から生み出した作品群です。〈太陽の音〉という言葉がたびたび出てくるのが印象的です。〈筆舌しがたい孤独〉の中に身を置き、自然のありようを見つめ、大きな力に身をさらす。生に再び向き合う力を求め、模索する作者の姿が浮かびます。
詩「故郷の廃家で」は、夢と現実のはざまを行き来する中で浮かんだ情景を描きます。
宇宙のダンス
わたしの思索のちいさなひもから
夜光虫のようにうごめくひかりが七色の爆発をともなって
ふたたび世界にひろがろうと思っていた
都会で築いた日常とは切れた場所での生活。そこは故郷であるにもかかわらず〈内なる異境として浮かび上がる〉(「はじめに」)。
日常の連続性の中で当然のように存在した自己が揺らぐ情景を、繊細な筆致で描いています。
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