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骨粗しょう症の栄養学的アプローチ~カルシウムだけじゃダメ~
骨粗しょう症は高齢者の女性に多くみられる疾患で、骨折の原因にもなります。一般的な骨折は、若い頃には男性に多いと言われています。骨強度は高いものの、脂肪の少なさや運動量が女性に比べて多いことから、骨折につながりやすいというわけです。
高齢者の女性の場合は、閉経後にエストロゲン分泌が減り、骨に対するカルシウム吸着が減少してしまいます。すると、副甲状腺ホルモンでパラソルモンが増加し、骨分解が促進されると言われているのです。
※パラソルモン(parathormone)
上皮小体ホルモンとも言います。 副甲状腺(上皮小体)から分泌される 84 アミノ酸から構成されるポリペプチドホルモ ンである。 破骨細胞を間接的に刺激して骨吸収を促進します。
高齢女性について紹介しましたが、男性も年齢を重ねると骨粗しょう症リスクが高まります。今回は栄養学的な観点で、骨粗しょう症対策にどんなことをすればいいのか考えてみましょう。
そもそも骨ってなにさ?
「骨」をイメージしてもらう方法として、私は建物と鉄筋コンクリートを想像してもらうことが多いです。ふたつのうち、骨の見た目は建物の状態に近いと言えます。すごく立派な豪邸に見えていても、中身の鉄筋がスカスカであれば建物は非常に脆く、地震や災害、経年劣化で簡単に崩れてしまいます。
骨もこれと同じです。ヒトである以上、骨格によって私たちの身体がかたどられているので、全身グニャグニャという人はいないでしょう。しかし、身体を支える骨が実はスカスカだと、ちょっとした刺激や衝撃で壊れやすくなってしまいます。
骨に欠かせない栄養~カルシウムだけじゃダメ~
じゃあ、そんな骨を健康に保つにはどんな栄養が必要でしょうか。いくつか代表的な栄養素を紹介していきましょう。
カルシウム
骨=カルシウムといえるくらい、カルシウムは骨の健康に欠かせない栄養素として知られていますね。体内のカルシウムの99%が骨と歯に存在します。日本では牛乳を飲む文化があるので、カルシウム量は達しているともいわれていますが、平成30年の国民健康・栄養調査では男女問わず、全年齢でカルシウムが不足していると言われています。
カルシウム不足の理由として挙げられるのが、日本の土地と食です。日本は火山灰による土地が多いため、欧米と比較して土壌にミネラルが少ないとされています。そのため、国内で栽培される野菜などの食物や、水のカルシウム含有量が少ないわけです。しかも、カルシウムは吸収率が低い栄養素のひとつです。
その吸収率は、乳製品で40%、小魚で33%、野菜で19%です。積極的に摂取しないと、必要量をカバーするのは難しいでしょう。皆さんが考える以上に、カルシウムは意識して摂ったほうがいいと言えますね。
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