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【解剖学講座】胸郭出口症候群の評価方法と簡単ケア【シリーズ「胸郭出口症候群」②】

胸郭出口症候群は、小胸筋症候群、肋鎖症候群、斜角筋症候群の3つに分けられるのが、一般的なカテゴリー分けだと思います。腕神経叢がどこかの位置で挟まってしまい、神経症状や脈が弱いといった反応が見られます。腕へと伸びる神経は、主に頚椎から伸びているので、斜角筋とか肋骨と鎖骨の間、小胸筋などがポイントになります。

仮にクライアントが「腕がよくしびれるんです」と言われた時、何もしていない安静時にその症状が見られた場合は、一度ちゃんと病院で診てもらうことをおすすめします。そうではないケースだと、ハイバーのスクワットやインクラインベンチプレスなど、首や胸が力んだり、該当部位の筋群が伸長される状態が繰り返し起こると、その時間に応じてしびれが悪化するケースが多いように思えます。

ちなみに、こうした人に圧倒的に多いのが「姿勢不良」です。普段の姿勢で背中が丸まっている人の場合、日常の姿勢に合わせて神経が走行しています。トレーニング中にグッと伸ばされると、神経が筋に圧迫されて神経症状が出てしまうのは納得ですよね。

胸郭出口症候群へのアプローチとして、一般的なのは斜角筋や小胸筋のストレッチやリリース、肋骨や鎖骨のモビリティを改善するなどは多いものの、比較的「対症療法的」と言わざるを得ません。根本的な姿勢改善を行わないと、持続的な改善にはつながらないと思います。ということで、まずは3カテゴリー別の評価方法を確認しつつ、どうやってケアしていくかを紹介していきたいと思います。

評価

胸郭出口症候群では、わざと「しびれの出やすい姿勢」を取ってもらいます。要は、斜角筋や肋骨と鎖骨の間、小胸筋が伸びる姿勢を作って、一般の方と比べて早く(あるいは強く)しびれが出たり、脈が弱くなったりするかを確かめるというものです。

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