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認知機能を下げる要因は何?加齢以外のリスクを知る

脳の機能としてよく知られる「認知機能」は、記憶、思考、理解、判断という知的活動に欠かせない能力です。大脳によって行われている認知機能は、その場所によって主に担う認知機能が異なります。

例えば、視空間認知や計算、書字(文字を書く)といった機能は頭頂葉が担い、後頭葉は視覚を担います。海馬は記憶を、側頭葉や聴覚や言葉の理解を、前頭葉辺縁系は人格形成や情緒を、そして行動の実行や意欲、発語を担うのが前頭葉といった感じです。

近年、日本では少子高齢化が進行するのに伴い、加齢によって認知機能が低下する「認知症」患者の増加が心配されています。では、認知機能を低下させる要因として、「加齢以外」にはどんなものがあるのでしょうか?今回はそんな、認知機能低下の要因について、論文を用いて紹介したいと思います。

性ホルモンが記憶、空間認識に関係する?

ホルモンは人体の化学的調節因子であり、成長、感情、さらには認知など、さまざまなプロセスを維持するために決定的に重要な機能を果たしています。そして、認知機能と一般的に関連が深いとされるのは、性ホルモンだとされています。2018年の研究では、ホルモンと認知機能の関係が考察されました。

例えばエストロゲンは、海馬と前頭葉を介した記憶形成など、特定の認知機能に作用する機能があるとされてきました。実際に、fMRI(脳活動をMRIで調べる方法)を用いたいくつかの研究によって、月経周期にわたって脳機能に変化が起きていることが分かっています。認知機能や感情のホルモン障害は、月経周期や妊娠中に毎月ホルモン調節を行う女性に多く見られます。マウスを使った動物実験でも、エストロゲンは海馬に依存する記憶力を改善するという報告があるほか、空間認識においてもエストロゲンなどの性ホルモンが関与している可能性があるようです。

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