伸展可動域の改善+気分の改善につながる脳神経への簡単アプローチ〜2つの脳神経を活性化させる方法〜
第1脳神経から第12脳神経まで、各脳神経はそれぞれに私たちの身体の動きを司っています。それぞれの脳神経は第1〜4脳神経、第5〜8脳神経、第9〜12脳神経と分けられ、それぞれが脳の中脳・橋・延髄を通じて伸びています。
この3つの部位によって、屈筋群・伸筋群のどちらにアプローチしているかが違います。具体的には、中脳から伸びる脳神経は屈筋群を活性化させ、橋から伸びる脳神経は伸筋群を活性化させ、延髄から伸びる脳神経は伸筋群を抑制します。
今回は、こうした脳神経の特徴を活かして、伸筋群を活性化して可動域を改善させるアプローチを紹介したいと思います。
伸展筋群の活性化がなぜ必要なのか
このアプローチをどのタイミングで使うのかというと、例えば「伸筋群がとても重要な運動を行うとき」です。トレーニーにとってはデッドリフトやスクワットがそれにあたります。これらの種目は、伸筋群が活性化されていないと運動範囲が狭まり、パフォーマンスが発揮できなかったりケガにつながったりします。
もう1つは、いわゆる脊柱の後屈を行うときです。皆さんも画像のように、腰に手を当てて後屈をしてみてください。このとき、関節各部につまり感がある、痛みやしんどいと感じる、そもそも可動域が狭いという場合に、今回のアプローチは役立つと思います。
脊柱の後屈では、股関節、腰椎・胸椎・頚椎といったあらゆる組織の伸展が必要です。屈筋群の緊張もほぐれていないといけないし、スムーズな体重移動も必要ですよね。
単純に可動域が狭いのなら、ストレッチやリリースだけでも改善は見込めるでしょう。しかし、多くのクライアントは胸椎の伸展可動域が不足していないことが原因で、スムーズな後屈ができません。加えて、胸椎の可動性の悪さを腰椎(特にL4やL5)が補おうとして、この部位の椎間関節に大きな負担がかかってしまった結果、つまり感や痛みにつながっている場合を多く目にします。
今回紹介する、伸展筋を活性化させるアプローチを用いることで、頚椎・胸椎・腰椎と股関節の動作をスムーズに行えるようになります。可動域が改善されればトレーニング効果も増大しますし、何よりケガの予防にもなります。
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Brain Special Magazine
運動指導者の方へ向けて「脳」について理解し、パフォーマンスを高め機能改善などを行えるように学べるコンテンツです。
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