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膝の内側が痛い…!鵞足炎の特徴とストレッチ、トレーニング、リリース方法

鵞足とは膝の内側に位置する部位で、三つの筋肉の停止部の形がガチョウの足の形に似ていることからそう名づけられています。

三つの筋肉というのは何かというと、一つ目が半腱様筋、二つ目が薄筋、そして三つ目が縫工筋です。半腱様筋と薄筋と縫工筋は、それぞれ「ハムストリングスの一部(半腱様筋)、内転筋群の一部(薄筋)、股関節屈筋群の一部(縫工筋)という形でそれぞれ作用しています。

つまり、体の前面そして側面(内側)、後部に位置する三つの筋肉が、鵞足という場所に集合しているのです。鵞足炎は鵞足周囲に炎症が生じる病気です。そして、どのようなアライメントであってもここには炎症が起きやすいという特徴があります。なぜかというと、脚部の前面・側面・後面どこにアライメント不良を起こしていたとしても、それぞれに付着する三つの筋肉が鵞足に集中しているからです。

鵞足炎はランナーに起こりやすいとされています。一般に言う「ランナー膝」は、反対側(膝の外側)の腸脛靭帯炎を思い浮かべるでしょう。しかし、内側の鵞足炎もランナーの方々は注意すべき症状です。

クライアントに鵞足炎が見られた場合、半腱様筋、薄筋、縫工筋それぞれの状態を見て、適宜リリースやエクササイズを行います。ちなみに、三つの筋肉の付着・作用は以下の通りです。

【半腱様筋】
付着:坐骨結節から鵞足
作用:股関節伸展、膝関節屈曲 

【薄筋】
付着:恥骨結合外側部から鵞足
作用:股関節内転、膝関節内旋・屈曲 

【縫工筋】
付着:ASIS(上前腸骨棘)から鵞足
作用:下腿の内旋、股関節の屈曲・外旋 

これらを踏まえて、それぞれの筋肉を直接触って確かめてもいいですし、作用通りの動きを行わせる、あるいは反対の動作を行わせて各筋肉をストレッチさせて、どこで痛みが出るかを確かめてもいいでょう。

あるいは、それぞれの筋肉の起始〜停止をリリースして、痛みがどう変化したかを確かめるというのが一般的な対処法になると思います。

鵞足炎のチェック方法

ここからは、鵞足炎の原因がどの筋肉かを確かめるためのチェック方法を紹介します。チェック内容はトレーニングとストレッチの2種類を用意しました。それぞれはチェック方法とアプローチの両面で活用できます。

縫工筋のトレーニング

クライアントを仰臥位にして、膝の上にアプローチする方の脚を乗せます(膝も屈曲させます)。この状態で、トレーナーは脚を伸ばす方向へ力を加えますが、クライアントはそれに耐えつつ股関節の屈曲・外旋動作を行うのです。

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