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「特異性の原理」からパフォーマンスアップの方法を考えてみる~動作の反復が私たちを作っている~

今日は体性感覚、特に関節にフォーカスしたお話です。皆さんはSAID Psinciple(Specific Adaption to Imposed Demand)をご存じでしょうか。日本語である「特異性の原理」なら、聞いたことがある人も多いでしょう。

特異性の原理を簡単に説明するなら、「人はその良し悪しに関わらず、人は同じ行動を繰り返せば繰り返すほど上手になる」というものです。

これは体の動かし方に限らず、考え方や口癖にも特異性の原理が適用されます。いつも怒りっぽい人は、些細なことでもっと怒りやすくなるし、いつも体の痛み(肩こりや腰痛など)がないか不安な人は、ちょっとした痛みに敏感に反応するようになります。冒頭で話した通り、脳はその反復行為が「体や心にいいのか悪いのか」を無視してインプットします。そして、特定の状況が発生したら、すぐにその内容をアウトプットできるようにしておくのです。

運動指導や運動学習、リハビリテーションの現場では、特異性の原理に対して「いかに悪い学習を重ねさせないか」が大切になります。例えば、画像のように前屈している様子を思い浮かべてみてください。立ったまま、背中を丸めてみるだけでも構いません。

この時、上半身に注目すると上手に脊椎全体が可動域を確保できている人もいれば、極端に腰椎・胸椎・頸椎のいずれか(あるいは複数の部位)がストレートになっている人がいます。そういう人は、特定の脊椎が動かない代わりに、他の脊椎が代償でより多くの可動性を発揮していることが考えられるでしょう。

それが正常の範囲内であれば問題ないですが、可動域が過剰に狭い(あるいは広い)状態の場合、スポーツ時のパフォーマンスの低下やケガにつながるし、日常生活では慢性痛へとつながります。

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