見出し画像

中脳の過活性を抑制してリラックスする方法~あなたのイライラ・頭痛はどこから?~

中脳は、間脳と橋の間に位置します。中脳の背側は上丘と下丘という部位があり、上丘は視覚情報を、下丘は聴覚情報に深く関係するのが特徴です。そんな中脳が過活性を起こしていると、それぞれの情報に対して非常に過敏になり、イライラしたり偏頭痛を起こしたりしてしまいます。では、そんな中脳をどうやったら抑制・リラックスできるのでしょうか。

今回は、中脳の上丘・下丘の構造を紹介しつつ、割と簡単に手に入る2つのアイテムを使った、中脳の抑制・リラックス法を紹介したいと思います。

中脳の上丘・下丘の役割

中脳の上丘・下丘という部位があり、上丘が視覚情報を、下丘が聴覚情報をそれぞれ統合しています。

上丘は哺乳類の場合、視覚中枢ではなく眼球運動や頭部・頸部の反射運動に関係しています。このnoteでもたびたび紹介しているサッケード(衝動性眼球運動)は、ここ上丘で誘発されているのです。上丘の浅層は視覚情報の入力に関係していて、上丘の深層は眼球運動・頭頚部の運動に関連する中脳網様体や脊髄への、情報の出力に関係しています。

下丘は、内耳からの聴覚情報の入力場所であり、聴覚の非常に重要な中継所です。ここで入力・処理された情報は、視床の内側膝状体へと送られます。

中脳の炎症は認知機能低下に関わる?

特に病気があるわけでもないのに、日常生活を送るのが難しいほどの疲労感が長期間続く状態を「慢性疲労症候群」といいます。身体的・精神的な原因いずれの場合も、まだ詳細な原因は判明していません。しかし、2014年の理化学研究所と大阪市立大学、玉手山学園関西福祉科学大学の共同研究による研究では、慢性疲労症候群患者には脳内炎症が広い領域で起きていることが分かっています。

そして、脳内炎症の生じた部位と症状との関連を調べたところ、偏桃体・視床・中脳は認知機能と関連性が深いことが分かりました(そのほか、帯状皮質・偏桃体は頭痛や筋肉痛、海馬は抑うつ症状と関連が深かったそうです)。

慢性疲労症候群には該当せずとも、なんだか日々の疲れが取れないという人は少なくないでしょう。そんな人は、中脳が過活性を起こしているのかもしれません。

ここから先は

1,667字 / 5画像
月に3本記事更新いたします。 実際に現場でご利用いただけるよう脳について初心者向けから応用編へと少しずつ難易度を挙げていきます。 数年間購読し続けることで体の機能を高めるために必要な脳への知識が身に付きます。

Brain Special Magazine

¥1,980 / 月 初月無料

運動指導者の方へ向けて「脳」について理解し、パフォーマンスを高め機能改善などを行えるように学べるコンテンツです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?