何も頑張らないことを頑張る

小学校3年生までは、控えめな子だった。
どちらかというと、荷物持ちをさせられるタイプ。
でも、母と兄と3人だけで暮らすようになって、私は変わった。
勉強も部活も、それなりに頑張った。ボランティア活動もやったり、宮城県の活動にも関わったり、好奇心旺盛で明るくなった。大学では哲学を専攻して、実習もいって、教員免許も取得した。ちなみに、卒論は村上春樹のノルウェイの森だ。
地方銀行に就職して、内勤業務は一通りこなして、保険や投資信託の営業も分からないなりに頑張った。

そして、東日本大震災が起きた。

震災がきっかけで、私は軽い鬱になった。
契約の手数料を気にして、営業する毎日が嫌になってしまったのだ。1,000万の契約でも手数料はこれっぽっち。今月も目標届かないかもしれない。あの人の投資信託損してるな、私が声かけたから・・・。そう考えるのは、単純に向かなかったからだけなのに、当時の自分は自分を追い詰めるしかなかった。
だから、転職先の小売業では絶対に頑張らないと決めた。
心をなくさないこと。
絶対に「つらい」って思ったら声をあげること。
過呼吸になってからじゃ遅いということを身をもって学んだから。

できない、つらい、もういやだ。
努力できない自分も、逃げる自分も、出来ない自分も、全部わたしだから。
どんな自分も受け止めよう、いいじゃん。生きてるだけで。

たくさん旅行して、青春して、いろいろな人に出逢って、キラキラした「リア充」だった頃のわたしは、もっともっと輝くと思ってた。インスタ映えするような生活をして、誰かに憧れられる存在になるんだって。

でも、考えることも頑張ることもやめた。責任を負う役割になることもいやになってしまった。30歳までに結婚して出産したいっていうライフプランがあったから、叶わない恋愛は追わないで、叶う恋愛を成就させた。
妥協、諦め、といったらそうなのかもしれない。

それでいいって、自分で決めたから。
疲れたからテイクアウト選ぶことも、考えることが多くなって心が疲れちゃうプロジェクトから離れることも、自分でちゃんと声を出して逃げた。
そう、仕事も家事も子育てもバランスよくなんて無理な人種なんだ。
すっぽん小町飲まないとイライラしちゃう人種なんだ。
頑張れない人間なんだ。

でも、いいじゃん。
麦茶なくなったら、ちゃんと新しいお茶作るし。
排水溝のごみだってマメに取るし。気分がのれば、ゴミもまとめちゃう。
絵本だって読むし、子どもが好きな色に椅子もペンキで塗っちゃう。
子どもと一緒に笑って、給料入ったら夫の好きな酪王カフェオレを3本冷蔵庫に入れちゃうし、実家の母に美味しい食パンを買っていったりもする。

違うってことは違うっていうし、おかしいことも声を出す。
自分はこう思うってことも声に出す。
だけど、そうだよねこうだよねって共感に回ることも忘れない。
無知なふりして話題提供だってする。
トレンドだって欠かさない。
価値観のアップデートもマメにしていくつもりだ。
当たり前を当たり前だと思うこともしない。


コロコロ変わる自分を、まるっと愛していこうと思う。

あ、16:30になる。時短で退勤。
今夜はご飯を炊いていない、頑張らないでご飯を作ろう。
そんな毎日を愛することが、#自分にとって大切なこと

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