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わたしはわたしで。

近くにあるものにピントを合わせることは、難しい。

私の真ん中は、いつもどこかピンボケしている。

遠くに見える風景は、綺麗に映る。

目の前にいる大切な人も、綺麗に撮れた。

けれど、わたしはわたしを映せない。

いつもわからないままなのです。

写真は、どこか非現実的だ。

けれど、そこあったものだった。

確かにあったものだった。

ファインダーの先に見える景色を映すことで、

わたしはわたしを映しているのだと、

遺しているのだと、そう思っていたい。

わたしはわたしで、映すことのできないわたしを、

ファインダー越しのあの人に任せるのだろう。

ごめんね、悔しいの。


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